今日は飛ばすぞ!!
読んだ本が山のように溜まっていくので、面白いと思ったものをチョイスして少しずつ取り上げていきたい。
本作は著者が得意とする、県警が舞台となる短篇集である。
映画化された「半落ち」もその1つだが、こちらも面白い。
警視庁が主役の小説は多いのに、県警ものは少ない。
同じ刑事モノなのだから、警視庁でもよい気がするが、
地方新聞社の記者出身だからこそのこだわりだろうか。
構成は連作で、県警の強行犯を扱う刑事を主役とした小説が全六作。
標題の「第三の時効」も去ることながら、白眉はその次に掲載されている「囚人のジレンマ」を上げたい。
3つの事件が同時進行でおこり、3人の個性的な刑事が並行して捜査にあたる。
3人の上長の視点で書かれているのだが、「事件」がミステリーなのではなく、
「3人の考えや思い」がミステリーであり、それをあたかも上長が解いていくかのように読ませるのである。
また、熾烈を極める手柄競争の中においても、人間が忘れてはならないものを織り交ぜるあたりは絶品。
寒い夜に熱燗を飲んだような気分になってしまうのである。
他の作品についても、人間性が色濃く現れており、
刑事という職業が、人間の持つ内面の表裏を際立たせている。
人間って?が凝縮された1冊
第三の時効横山 秀夫,
集英社
定価:¥ 660
販売価格¥ 660
中古価格¥300