雨ふりすぎ!!!キャプテン兄です。
過去に2冊取り上げた、岡嶋二人のうちの一人、井上夢人氏が綴る
「岡嶋二人」時代の合作活動の記録である。
念の為書いておくが、岡嶋二人は二人組みの合作作家なのである。
井上夢人氏と徳山淳一氏が出会い、岡嶋二人を結成し、岡嶋二人が消滅するまでを
盛の部、衰の部の二部構成で回想している。
私個人的に自伝的○○っという書物が好きで、本作は好きな作家
の自伝的回想録なので、自然と手が伸びた。
盛の部では、二人が江戸川乱歩賞に向けて四苦八苦しながらも
楽しそうに執筆活動を進めていく。
語弊があるかもしれないが、居酒屋談義のような会話が、
小説へと形を変えていくプロセスは、読んでいて心が踊る。
また、目標が決まり、そこに邁進している時の人間の充足感が
ヒシヒシと伝わってくる。
衰の部では、二人の関係にヒビが入っていく仮定で、関係を修復しようと
井上氏があれこれと手を打っていく。
この辺りについては、巻末の解説にて、大沢在昌氏がおもしろい表現をしている。
以下抜粋である。
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しかし、改めて本書を読み返してみると、やはり終盤の
井上さんの苦悩は、破局を迎えつつあるカップルの
片思いに近い。
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言いえて妙で、思わず納得してしまった。作中の両氏がなんとか「がんばろう」
と無理をしている恋愛にそっくりなのである。
クライマックスの副題「消滅」における電話での会話は、
誰もが経験したことのある、いわゆる別れのシーンそのもので、
リアルに感情を揺さぶられる。
岡嶋二人が生まれ、咲き、散っていく様をご堪能あれ