< 新しい日記 | トップ | 古い日記 >
移転しました
低空飛行

↑移転先
檻の中で

A)天窓に手を伸ばし 切り取られた空に自由を描き
流れる雲を指でなぞった
絶望に飼いならされて 僕はこの狭い檻の中
美しい空の群青を 知ることはない

B)寄りかかった壁には 
かつてここにいた囚人が 残した爪の跡が深く深く

S)汚い壁しか映せぬのならば
瞳など捨ててしまいたかった

2番
A)鉄格子に指を絡ませ 隣人たちの逃走の算段を聞き
彼らの愚かさにため息をついた
日常に餌を与えられて 僕はこの狭い檻の中
照りつける太陽の灼熱を 知ることはない

B)やがて聞こえたのは
看守に掴まった 脱走者たちの悲鳴 高く高く

S)醜い叫びしか聞こえぬのならば
音など聞こえなければよかった
2006 07/26 15:47:09 | none | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
僕には白い翼があって
どこにでも飛んでいける

吹き付ける風に煽られて
紅蓮の山際に身を沈め
新幹線を追い越して

街の喧騒に飛び込んで
ビルの屋上に手を振って
見知らぬ雑踏をすり抜けて

淵のない池で休息をとり
底のない海を横切って

船の汽笛を聞きながら
舳先の女神に口付けをして

昇りかけた太陽に目を細め

目を開けると僕はまだ
現実という檻の中で
翼などなく
それでも
天窓からのぞく太陽を見つめ
飛び立てやしないかと
今日も愚かな夢を見る





2006 07/22 15:45:05 | | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
部活で提出した作品を載せようとして背景色がおかしいことに気がつきました、、、、、。
デフォルトに設定したのに左側の背景が紫のままです。どうしてなんでしょうか。困りました、、、、、
2006 07/10 19:20:37 | none | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
ごうごうと音を立てながら
大きな旅客機が線を引く。
僕たちの見ている空に、
真っ白な線を引く。

それはまるで
ぼくたちを分かつ境界線のようで、
妙に悲しかった。

ずいぶん長い間見上げていたけれど、
僕は不意に
声を上げて笑った。
滲みかけた飛行機雲が
群青に飲まれていく。

まだあの子はそこにいて
ぼくたちはまだ、同じ空の下にいた。

なにも
悲しむことはなかった。


----------------------------------------------
遅くなりましたが第31回高校生文芸作品コンクール詩部門で奨励賞(銅賞)をいただいた作品です。
2006 06/18 23:27:07 | | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
うまくいきません、こまりました。
左側のメニューみたいなのの白いところの色を変えるにはどこをいじればいいのでしょうか・・・。
紫に黒は目がいたいかもしれません。でも紫が好きなので文字色を変える方向でいこうと思います。やっぱり灰色かな、文字色は。
ともかくCSSがよくわかりません;;
2006 06/02 00:36:19 | none | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
人は誰もが永遠を手に入れたいのだと
あの子は言った

僕が欲しいのは明日だった
時が止まればいいと思うほど今は幸せではなく
けれど望むことをやめてしまうほどに不幸ではなく
僕はただ
今日という退屈な日常を投げ捨てて
明日が欲しかった

昨日僕はそう言い
今日僕はまた同じことを言い
翌日になればまだ僕は
明日が欲しいと言うだろう

それでも僕は
明日が欲しかった

そうしているうちに時間は経ち
あの子はいつの間にかいなくなり
後悔をした時にはもう遅く

あのときが永遠に続けばよかったと思いだし
ようやく人がなぜ永遠を欲しがるのかを理解して
それでもあの子のいない永遠になど意味はなく

僕はまた今日も明日が欲しいと言うしかない
2006 05/25 23:32:14 | | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
数ヶ月ぶりです。
なぜこんなに間があいてしまったかと言うと母が事故に遭い家事に追われていました;;
学校の方もあったりしてまだまだいそがしいかもしれませんが部活で詩を書いたので記録代わりに・・・。
2006 05/25 23:28:38 | 日記 | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
軋むブランコの錆びた音を聞きながら
上下する視界に眩暈して
傍らのシーソーに目を遣ると
地を蹴る子供の靴の泥に
ひどく既視感を覚え
傷があまりない新品の
自分のスニーカーと見比べた

砂場に置き忘れられた
スコップの安っぽい青色は
かつて私が失くしたものに似ているかも知れず
拾い上げて砂を払い
滑り台に反射した夕日に目を細め

五時の時報が鳴る中で
今思えばそれほど高くない
ジャングルジムに駆け登り
ここに登れば
誰もが簡単に勇者になれたものだったと思い出す

そうして
ここにあった「無限」はどこへ行ってしまったのかと
空を見上げて一番星を見つけ
ただ私が
ここを無限だと思っていた頃の感情を
忘れてしまっているだけなのだと気づき
ため息を一つ 静かに吐いた
2006 05/25 23:27:33 | | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
用がなくなった鉄塔が
この前壊され更地になった

僕らがまだ子供だった頃
丘の上に建つ鉄塔に
登れば空に届く気がしてた
それでも僕らは勇気がなくて
二人で毎日丘のまわりで
ルールも知らないテニスを真似して
飛ばしすぎた黄色いボールを
有刺鉄線の穴を潜って
君と一緒に拾いに行った
ねえ覚えてるかな?

あの日失くした新品のボールの
古びた姿をやっと見つけたよ

僕らがまだ子供だった頃
赤く聳え立つ鉄塔に
登れば勇者になれる気がしてた
それでも僕らは度胸がなくて
二人で毎日丘のまわりで
一度聞いただけの音楽を真似して
英語の歌を大きな声で
有刺鉄線の柵によりかかり
君と一緒に歌っていた
ねえ覚えてるかな?

あの日歌った異国の歌の
歌詞の意味を最近知ったよ

取り壊された鉄塔の
跡地にビルが建つことを聞いて
時代の流れが何もかも
変えてしまったと気がついた
ねえ覚えてるかな?
君が街を出た日
僕らが二人で
夢を叶えると、ここに誓ったのを
2006 04/02 21:34:22 | | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
赤く染まった夕焼けの街角で
俯く僕に君が呟いた
「大丈夫」だと励ますための
言葉に涙は止まらず
わけもわからず君の手を握る
温かいのかと感覚の無い右手に訊ねてみたが
答えは無くて
君を見上げた

五時の時報が街に響いて
道を渡って
できるだけの笑顔で
振り向いたけれど
過ぎる車で
君が最後に何を伝えようと
口を開いたのかは判らなかった

それでも僕はバスに乗り込み
窓から君が涙を流す姿を見つけ
それがあまりにも美しく
手を振ることさえ忘れてしまっていた

いつかまた出会えたなら
昔 教室の隅で語り合った夢を
叶えられているだろうか
思い描いていたような
大人になれているだろうか

胸に積もりだした不安と速くなる心臓の音は
街を遠ざかるバスの音で
かき消された
2006 03/29 21:31:59 | none | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー
< 新しい日記 | トップ | 古い日記 >