カテゴリ[ 童話 ]の記事 (2件)

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 大騒ぎになりました。多くの天使たちは逃げ出そうとし、勇敢な天使は火を消しに向かいました。しかし火を消しに行った天使たちはみな、翼を焼かれて戻ってきました。
 しばらくすると翼を焼かれて飛べなくなった天使たちも、家族や友人に連れられて逃げ出しました。
 炎はあっという間に燃え広がり、楽園は火の海でした。
「だれか、助けてくれ」
楽園が燃えるのを眺めていたイルは、助けを求める男の声を聞きました。見ると、人間の男が逃げ惑っていました。翼を持たない彼は地上へ飛び立つことができなかったのです。
「助けてくれ!」
男はイルの姿を見つけると駆け寄ってきてそう言いました。もう他に天使は残っていませんでした。
「無理よ。それに私は地上に逃げる気なんてない」
イルはそう言って首を振りました。それを聞くと男は驚きました。
「なんだって?」
「私の小さな体じゃあなたを抱えて飛ぶことはできない。だから無理だと言ったの」
「そんな…」
男は落胆しました。
 そうしている間に炎はどんどん二人に迫っていました。
「じゃあ俺はここで燃えよう、しかたがない」
男は言いました。逃げることを諦めたようでした。
「あんたは早く地上に逃げろ」
男は言いましたが、イルは動きませんでした。
「言ったじゃない、私は地上に下りる気なんてないと」
イルが言ったときでした。
「早く!」
男が叫び、イルを突き飛ばしました。突き飛ばされたイルは空に飛び出し、雲の中を落ちて行きました。
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2月5日訂正
2006 02/02 22:34:35 | 童話 | Comment(0)
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 空の高いところに、天使たちの暮らす楽園がありました。そこに住む天使たちはみな、白く美しい翼と流れるような金の髪を持っていました。ただ一人を除いては。
 その一人はイルと言う名で、幼女の姿をした天使でした。イルだけは闇のように黒い翼と燃えるように赤い髪を持っていました。そして背中にはいつも、自分の背丈と同じくらいの大きさの十字架を背負っていました。
 他の天使たちはそんなイルを気味悪がり、悪魔の生まれ変わりだと言って誰も話しかけようとはしませんでした。
 ある日楽園に人間の男がやってきました。天使たちは男を歓迎しましたが、イルだけは男を地上へ返そうとしました。しかし他の天使たちは誰もイルのいうことを聞きませんでした。
 翌日、男はイルに声をかけました。
「こんにちは、天使さん」
男が使ったのは西方訛りのある言葉でした。
「なにかご用ですか?」
イルはその口調があまり好きではありませんでした。
「なぜあんただけ色が違うんだ?」
男は訊ねました。
「忘れないように色を塗ったの」
イルはそれだけしか答えませんでした。
 男は何日も楽園にいました。地上に帰る気はないようでした。楽園があまりにも楽しい場所だったので、男は日に日に自分の故郷を忘れていくのでした。
「まだいたの?」
イルはそんな男の姿を見るたびに言いました。
 
 カンカンカンカン。
ある朝、天使たちは鳴り響く警鐘の音で目を覚ましました。
「火事だ、火事だ!」
誰かが叫びました。

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童話に挑戦。
2006 01/29 21:52:23 | 童話 | Comment(0)
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