赤く染まった夕焼けの街角で
俯く僕に君が呟いた
「大丈夫」だと励ますための
言葉に涙は止まらず
わけもわからず君の手を握る
温かいのかと感覚の無い右手に訊ねてみたが
答えは無くて
君を見上げた

五時の時報が街に響いて
道を渡って
できるだけの笑顔で
振り向いたけれど
過ぎる車で
君が最後に何を伝えようと
口を開いたのかは判らなかった

それでも僕はバスに乗り込み
窓から君が涙を流す姿を見つけ
それがあまりにも美しく
手を振ることさえ忘れてしまっていた

いつかまた出会えたなら
昔 教室の隅で語り合った夢を
叶えられているだろうか
思い描いていたような
大人になれているだろうか

胸に積もりだした不安と速くなる心臓の音は
街を遠ざかるバスの音で
かき消された
2006 03/29 21:31:59 | none | Comment(0)
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