|
檻の中で
A)天窓に手を伸ばし 切り取られた空に自由を描き 流れる雲を指でなぞった 絶望に飼いならされて 僕はこの狭い檻の中 美しい空の群青を 知ることはない
B)寄りかかった壁には かつてここにいた囚人が 残した爪の跡が深く深く
S)汚い壁しか映せぬのならば 瞳など捨ててしまいたかった
2番 A)鉄格子に指を絡ませ 隣人たちの逃走の算段を聞き 彼らの愚かさにため息をついた 日常に餌を与えられて 僕はこの狭い檻の中 照りつける太陽の灼熱を 知ることはない
B)やがて聞こえたのは 看守に掴まった 脱走者たちの悲鳴 高く高く
S)醜い叫びしか聞こえぬのならば 音など聞こえなければよかった
|