一昨日図書館で読んだ産経の一面で産経新聞編集委員の田村氏が、日本のデフレはあまりにも長期間続いていて、赤字国債の垂れ流しが日本は大変なことになると書いていましたが、その心配の抜粋が下記のものです。
田村秀男氏 大恐慌しのぐ「日本デフレ」より引用・・・しかし、このままデフレの現状維持路線が続けば、税収はさらに減り続け、財政赤字は膨張する。そうなると、消費税などの大幅な増税に追い込まれるが、増税は消費需要をさらに縮ませ、デフレを加速させる。企業収益も、給与所得もさらに減る。親の世代の年金を負担する働き盛りの層は雇用不安にさいなまれ、住宅ローンも払えなくなる。結局、政府は増税したところで早晩、年金支給額を大幅削減するしかなくなるだろう。つまりデフレに勝ち組はおらず、国民全員が敗者になる。国庫も社会も疲弊するのは明らかだ。歴史的にみて、世界でデフレ病をここまで放置した国家があったためしがないはずである。 ・・・引用終わり
田村氏はこの対策として記事の中で、「デフレ脱出のためには思い切った財政出動と日銀によるマネー大量供給が欠かせない・・・」がこれはインフレを呼び起こす危険があり、民主党はインフレよりもデフレの方がましではないかと考えているのではないかと論じています。
しかしながら、供給と需要とのギャップが35兆円あると言うことでお金をいくら刷ってみたところで、今でも1400兆円の資産が眠っていいるにも拘らず老後や社会福祉が心配で握ったままであるところから、先ず使うことなく貯金に貯金にと走ってしまうことは明白ではないかと思うのです。そして一番怖いインフレの到来。
さてどうすれば良いかですが、アメリカのバブルが支えてきた好景気、多分アメリカもこれに懲りて、行け行けドンドンを繰り返すことは無いと思いますから、もうかってのように日本のアメリカへの輸出は落ち着いた堅調なものになると思います。また中国やインドへの輸出も後数年もすれば止まってしまいその後は逆に日本に輸入されてくることになると思いますから、先ずは先行きの需要を予測し、過剰な設備を廃棄し、余剰となってくる人たちのために新産業を立ち上げそちらにシフトしていく。
幸いなことに、今世界が必要としていることの中で一番需要が大きくなってくるのは、エコ産業でこちらを国策として拡大してそちらに人をシフトする。エコ産業の中でまだまだ日本が極めて遅れているのは、バイオエネルギー分野です。日本の国土のほとんどは山林で、少ない平地に遊休荒廃地も多く、これらをサッポロビールが中心になって進めている繊維物から取るバイオエタノールの生産を軌道に乗せ日本の隅々まで活用することが必要になってくれば、莫大な人の雇用も確保でき、寂れ行く農山村に人が集まり、農業にも目が行くようになり、世界の二酸化炭素削減にも貢献し、技術の横移転で世界的な二酸化炭素削減にも貢献できるようになって行くことと思います。
こういったスケールの大きな話と平行して、極力将来に不安を持ってお金を握っている高齢者の方々が、安心してお金を使っていただけるような、高齢者福祉、年金の安定化を目指していく政治を行っていただく。そして、次世代を担う子供たちをたくさん生んでも心配ないような政策、教育の体制作りもやっていただく。
いくら田村氏の言うように、お金を社会に出してみても社会にとって過剰な物を作りすぎても意味が無いですから、短期的にはお金が回るかもしれませんが、長期的には効果が無いと思います。自民党・公明党・官僚・財界の長期的癒着でおかしくなってしまった日本ですが、早く過剰なものは整理し、今後必要となってくる産業を立ち上げ人もお金も設備もそのために役立つようシフトしていくと言うことが早急に必要だと思います。