42歳で脳出血、右半身不随に 血圧管理の重要性、 工場派遣労働激務、汗をかきっぱなしで常時熱中症状態が続いていた。 職場の健康診断では高血圧の指摘を受けていた。 発症したのは飲酒した翌日の寒い朝 発症時の血圧は180を超えていたと記憶している。
雇用されていた派遣会社では、社保加入のシステムがなく、投薬治療などは一切していなかった。
今回は、高血圧が原因で、42歳で脳出血に襲われ、右半身不随になってしまったOさんのお話を聞いてきたぜ。
え?42歳って、まだ若いんじゃない?
そうだな。ただ、Oさんは、高血圧はけっして若ければ大丈夫という病気じゃないし、若くても、食生活や飲酒、喫煙などが影響して少しずつ体をむしばんでいく怖い病気だから、本当に注意してほしいって言ってるんだぜ。
Oさんが血圧が高めだと気づいたのは、30歳くらいの時で、街の血液センターで献血しようとしたとき、事前の血圧測定で指摘されたのが最初だったそうだ。
あ、献血前にやるあのシュッシュッて腕にバンド巻いて空気入れるやつね。
え?霊夢って今、いくつなんだ?
それは秘密だよ。
まあ、とにかく、血圧が高めなので、献血はできません。と言われたそうだぜ。
え?血圧高めの人は献血できないの?
ああ、そうらしいぜ。
だがその時は、Oさんはあまり気にとめもせず、いつしか忘れてしまったらしい。
その時に病院に行っていれば、早めに解決したかもしれないわね。
それをOさんも悔いていると言っていたぜ。
そのころは、飲酒喫煙もしたい放題で、食べ物にも全然気づかいせず、何でも好きに食べていたそうだ。
若いときって、そういうものだよね。
Oさんは35歳を過ぎてから、職場の健康診断で高血圧症を再認識して、病院から投薬治療を受けるようになったんだ。 ただ、なぜか薬を飲んでも血圧の数値が下がらず、医師にそのことを相談しても、血圧は急に下がったら、車のエンストみたいに心臓が止まってしまうとか言われて、クスリを変えてもらうことができなかったんだそうだ。
車のエンストって、上手いこと言うわね。
そうだな。Oさんもまるでうまく言い含められたみたいだったと言ってたぜ。
ただ、Oさんにはその後、生活に大きな変化があって、その地を離れ、遠い土地の工場へ派遣労働者として赴任したそうだ。 Oさんは、この時の派遣会社の選び方が運の分かれ目だったと思いかえしているそうだ。
え?なになに?何があったの?
もらえる賃金を優先したために、健康保険や年金の制度がない会社を選んでしまったそうだ。そのため、高血圧の治療ができなくなってしまった。Oさんは、自業自得だよとしきりに後悔してるぜ。
そうね、後悔するしかできないわよね。でもよく、そこまで教えてくれたわね。
そうだな、Oさんは今の若い人たちに自分のような後悔をしてほしくないから、打ち明けるんだ、ぜひとも参考にしてほしいと言ってるぜ。
Oさん、ありがとうございます。 それで、その後が大変だったのね。
Oさんの工場での仕事は、高温の炉内作業もあり、いつも汗だくで、水をいくら飲んでも脱水症状が続くような環境だったらしい。
私はそれを聞いただけで死んじゃいそうだわ。
体が脱水症状になると血中濃度が高くなって、血栓ができやすくなる。そうすると、脳梗塞や脳出血を引き起こしてしまう原因になるんだぜ。
ただ、Oさんが脳出血を発症したのは、この工場での仕事中ではなかったんだ。 その日は前夜に職場の仲間で飲酒を伴った食事をして、午前6時ころに目覚めたそうだ。とても寒い朝だったらしいぜ。 飲酒すると、血管が拡張して、一時的に血圧が下がることがあるんだ。ただ、それも徐々に戻っていく。 そんな時にからだを寒気にさらすと急激に血圧が上昇して、脳疾患などに至る場合があるんだそうだ。 Oさんはこの症例にヒットしてしまったんだな。 ベットから起き上がって、出社の準備をしようと思ったら起き上がれず、ベットから落ちてしまったんだそうだ。 立ち上がろうにも右足に力が入らず、からだをささえようとした右腕も動かない。 Oさんはこの時、やっちまったなと悟ったそうだ。
左手は大丈夫だったの?
そうなんだ。脳疾患は、脳の右半分で起こると左半身に、脳の左半分で起こると右半身に障害が起きるといわれている。 Oさんの場合は脳の左側で脳出血が起きたんだぜ。
言語障害とか、記憶障害が起きる場合もあるんでしょ?
そうだぜ。だが、Oさんには言語障害などは起きなかった。 それだけは運がよかったと言ってたぜ。
さてさて、Oさんは部屋で倒れていたところを工場の同僚に発見されて病院に運び込まれて、長い闘病生活に入るわけだが、 その後のリハビリや生活再建の道のりについてはまた別の回でお伝えするぜ。
ここで、Oさんからの悲痛ともいえるメッセージを聞いてほしいぜ。
血圧が高めだと気づいたら、躊躇なく、食事改善と生活改善を してほしいぜ。 喫煙はぜひともやめるべきだぜ 生きていくうえで健康保険は絶対に必要だぜ。 医師から投薬治療を受けるようになったら、クスリを勝手に休んだりやめたらだめ。治療内容に不安を感じたら、セカンドオピニオンで別の医師の診察を受けてほしいぜ。 クスリは、医師によって取り扱う製薬会社や種類が別なので、自分に合った薬を探すことも大切だぜ。 若くても、ヒートショックには十分に注意してくれ。
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