大騒ぎになりました。多くの天使たちは逃げ出そうとし、勇敢な天使は火を消しに向かいました。しかし火を消しに行った天使たちはみな、翼を焼かれて戻ってきました。
 しばらくすると翼を焼かれて飛べなくなった天使たちも、家族や友人に連れられて逃げ出しました。
 炎はあっという間に燃え広がり、楽園は火の海でした。
「だれか、助けてくれ」
楽園が燃えるのを眺めていたイルは、助けを求める男の声を聞きました。見ると、人間の男が逃げ惑っていました。翼を持たない彼は地上へ飛び立つことができなかったのです。
「助けてくれ!」
男はイルの姿を見つけると駆け寄ってきてそう言いました。もう他に天使は残っていませんでした。
「無理よ。それに私は地上に逃げる気なんてない」
イルはそう言って首を振りました。それを聞くと男は驚きました。
「なんだって?」
「私の小さな体じゃあなたを抱えて飛ぶことはできない。だから無理だと言ったの」
「そんな…」
男は落胆しました。
 そうしている間に炎はどんどん二人に迫っていました。
「じゃあ俺はここで燃えよう、しかたがない」
男は言いました。逃げることを諦めたようでした。
「あんたは早く地上に逃げろ」
男は言いましたが、イルは動きませんでした。
「言ったじゃない、私は地上に下りる気なんてないと」
イルが言ったときでした。
「早く!」
男が叫び、イルを突き飛ばしました。突き飛ばされたイルは空に飛び出し、雲の中を落ちて行きました。
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2月5日訂正
2006 02/02 22:34:35 | 童話 | Comment(0)
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