最初の牛肉偽装事件といえば、「雪印牛肉偽装事件」で、今でも記憶が鮮明な人も多いでしょう。 関係者による複数の証言によると、雪印食品関西ミートセンターの7、8人の社員が、冷蔵保管業者の倉庫内で、オーストラリア産牛肉を自社ラベルが張られた自社の箱に詰め替えて、国産牛として偽装する操作をしました。
その量は約600箱で、重さにすると10トン余りにのぼりました。 また、在庫について記された伝票までも、書き換えられたそうです。
この事件によって、補助金詐欺の実態が暴かれることとなり、別の補助金詐欺事件が明るみに出ることにもなった事件でした。
事件を引き起こした雪印食品は、この前年にも「雪印集団食中毒事件」を起こして、不信感から消費者離れが始まりました。 さらに経営不振が深刻化してしまい、解散することとなりました。
この事件が発覚した後、雪印乳業やグループ各社の親会社も、経営責任を問われることとなりました。 そして、「雪印集団食中毒事件」が起こって以来、再び雪印企業グループ製品に対して不買運動が各地で起こりました。
それにより、スーパーマーケットなどで陳列を控えるなどの影響があり、急激に雪印乳業の株価を下げるなど、酪農農家に悪影響を与える恐れもありました。
この「雪印牛肉偽装事件」は、内部告発によって発覚したそうです。 このように内部告発をした人は、その勇気を賞賛されるはずなのですが、その後不当な手段によって、なんらかの圧力を与えられる場合が多いのが現状です。 そのようなことは、決して起こってはなりません。
イギリスなどでは、告発者を保護することが義務付けられており、「内部告発者保護制度」などが導入されています。
しかし、それまで日本では、告発窓口に限りがあり、告発者を保護することを重視した法律もありませんでした。 ようやく内閣府は、「公益通報者保護法」が平成18年4月に施行されることとなったのです。
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