これは、父が亡くなったとき母がよく言った言葉だ。 祖父母が建てた割烹旅館を壊し、地上9階地下1階のビルに建て替えた三年後に父は亡くなった。 土地は長男が相続、私が2億の借金と経営権を相続したが、元利金等で返済していたので(当時の金利は10%前後)3年経っても元金は殆ど減っていなかった。 「何で親の借金をワシが返すんじゃ!」 「お前が、会社を相続したからよ」 「株も土地も持っとらんのに、何が社長じゃ」 「納得したんでしょ。子孫のために美田を残さずよ。」
西郷隆盛の「児孫の為に美田を買わず」が元らしいが、 その時は妙に納得した。 最初は「儂が社長で銀行は金を貸してくれるんじゃろうか?」と思っていたが、 銀行側の「こいつが社長になって、本当に金を返してくれるんじゃろうか?」との疑念に気づいた。 なんせ、0.5%金利を下げてもらえば年1,000万浮くことになる。 そして段々と強気になっていった… 「子孫のために美田を残さず」とはこのことなんだ。 相続問題で子孫が争うこともなく、適度な苦労が刺激となって成長していくのだと思った。
でも、今では少し考えが違っている。 自分の田圃が美田と言うからには、周りの田圃は美田ではない。 田圃は給排水の管理が重要で、その水も自分の田畑だけが使用するのではないのに、 自分のところだけ美田にするには、給排水を自分のところだけ有利にする必要がある。 これでは近隣との諍いが絶えず、美田を残せば子々孫々に紛争の種を相続させる事になるのだ。 己のみが得しよう・旨くやろうと考えるのではなく、脈々と続く歴史の流れの中で子孫のためを考えた行動をしなさいと言うことだと思っている。
今はどうであろうか。 収穫を増やすため化学肥料や農薬で田畑は荒れ、孫の代を考えて管理するような山は見向きもされず。 魚や家畜に抗生物質を与え、釣りの楽しみのため外来種を放し、国はひたすら借金を増やし… 将来に夢も希望も持てず、ただ々節約してお金を使わない。 そしてデフレスパイラルに落ち込んでいく… 自分の中に、規範という概念を持たない悲しさ… 刹那主義… (私が言える事じゃなかった…(._.)
<閑話休題> ブラックバスが異常に増えるのもその増殖力だけではない。キャッチアンドリリースという釣り方にも問題があるそうだ。 これは男の本性だよね。 釣りなんかで発散せずにTさんを見習って、女性をキャッチアンドリリースしよう! 男が元気を取り戻し、社会が明るくなるためにはこの方法しかない!
しかも、本当は女性からキャッチアンドリリースされているという現実には目を瞑ってね…(^ヘ^)v
|