思索に耽る苦行の軌跡

2007年 06月 25日 の記事 (1件)


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Pianist ハロルド・バッド(Harold Budd)の静謐な演奏が白眉な、Ambient Music(環境音楽)の創始者であり、現在ではClassicの現代音楽家とも目されるブライアン・イーノ(Brian Eno)の美しき1980年の作品「 Plateaux of Mirror 」(邦題:鏡面界)を聴きながら……

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追記

イーノの作品で私はNASA制作の映像作品のSoundtrack盤「APOLLO(邦題:アポロ)」が一番のお気に入りである。

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万華鏡を覗いてゐるとその変幻自在で色鮮やかな千変万化する鏡面世界は私の思考を無理矢理にでも宇宙に誘(いざな)ふのである。

――Black hole(ブラックホール)……

最近、Black holeは存在しないといふ新説が発表されたが、ここではBlack holeが存在するものとして話を進める。

さて、光すら逃れられないBlack hole内はその名に反して眩いばかりに光り輝く鏡面世界なのではないかと最近、特にさう思ふ。銀河の中心域の輝きを見ると尚更さう思へてくるのである。

――Light-shining hole……

唯、シュヴァルツシルト半径または重力半径と呼ばれるBlack holeの境界域のみ漆黒なのであって、仮にその境界域を鏡面界と仮定すればBlack holeは万華鏡と同じと考へられなくもないのである。

――もしかすると銀河の中心域もまた鏡で出来た『林檎宇宙』([水鏡]を参照して下さい)の縮図なのかもしれない……

――Fractal(フラクタル)的に考へると……この私が存在してしまってゐるこの宇宙自体が巨大な巨大な巨大な巨大なBlack holeと考へられなくもないではないか……

――ふっ、面白い……

――するとだ……宇宙外にはこの宇宙を中心とする巨大な巨大な巨大な巨大な銀河が形作られてゐるのかもしれない……

――するとだ……この宇宙をBlack hole型宇宙だと仮定すると……この宇宙を閉ぢ込め包み込む更に巨大な巨大な巨大な巨大なBlack hole型の宇宙が存在し、それが無限に続いてゐるとすると……

――ふっ。鏡面界を皮と見立てると……この世といふものは巨大な巨大な巨大な巨大な……鏡で出来た無限の『玉葱宇宙』といふことか……

――また……『無限』といふ名の陥穽に落ちてしまったぞ……

と、不意にイーノの「鏡面界」が終はったのであった。