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殺害された山口剛彦さん(66)の同級生らは、小泉容疑者の再逮捕を複雑な思いで受け止めた。
中学、高校、大学が同じで東京都内に住む元会社役員の男性(67)は、山口さんが次官退官後の99年、東京・新宿の中華料理店で一緒に酒を飲んだ。店主は「特別に古いカメの酒を出します」と退官と次の人生の門出を祝ってくれた。昔話に花を咲かせ、ほろ酔い気分の山口さんは「これからは妻と旅行をする。妻孝行したい」とうれしそうに話した。
高校の同窓会にも顔を出すようになった。社会福祉・医療事業団理事長だった02年秋、国分寺市から府中市まで多摩川沿い約10キロを同期生ら約40人と一緒に歩いた。昨年は母校の奨励金制度設立のため、募金の発起人にも名を連ねた。同級生らが「官僚トップになった人にお願いしたい」と打診すると、山口さんは「役に立つならば」と快く引き受けてくれたという。
男性に届いた2年前の年賀状には、山口さんが庭で撮影した赤いトウガラシの実が写っていた。カメラが趣味の山口さんらしい年賀状だった。
男性は「山口君は役人臭くなくて温かみがあった。省益や縦割り行政に翻弄(ほんろう)されることなく、国民のために働いていた。気の毒としか言いようがない」と肩を落とした。【宍戸護】
毎日新聞
不幸な出来事で済ませられないね。
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