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●『小春日和(インディアン・サマー)』(河出書房新社・文庫) ●金井美恵子 ●読んだ日:2006年06月24日。 ●コメントとか:ダ・ヴィンチの文化系女子特集のときに紹介されてて、いいなぁと思って買っておいた本。 ちょっとシニカルな19歳の女のコの、クラシックで長閑な日々のおはなし。 (わたしはこういう、取り立てておおきなことがおこるわけじゃない日々のおはなし、だいすき。) 主人公桃子が大学に通うためおばさん(小説家)の家に居候するところから始まるんだけど、おはなしの途中にそのおばさんの書いた小説とエッセイがいくつか挿入されてて、そのなかの「赤ちゃん教育」って小説がいいなぁと思いました。 「生まれたいと思って生まれて来る子供なんていやしないんだぜ、」とか「親とケンカをした時、産んでほしくて産んでもらったんじゃないやいって、たいていの子供は言うだろ、それがだって真理ってもんじゃないか、」とか、「「でも、そんなの、子供っぽい言い方よ」「そりゃそうさ。[子供]の言い方だよ。[親]がそんなこと言うわけないだろう」」とか、中絶のおはなしなんだけど。 もちろん本編もいいよ。 30になった桃子がどんなになってるのか、つづきがはやく読みたいです。
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