兵庫県宝塚市のカラオケボックスで客８人が死傷した火災で、業務上過失致死傷罪に問われた元経営者上江洲安一被告（５３）の公判が１２日、神戸地裁（佐野哲生裁判長）であり、検察側は「利益追求のあまり、客の安全を著しく軽視した無責任な経営」として、禁固４年を求刑した。

　最終弁論で弁護側は「防火器具の設置不備はほかのカラオケ店でも一般的」などと過失を争ってきた従来の主張を一転。「消火器は使用可能なものを置くべきだった。防火対策、勤務態勢など責任は被告にある」とすべての過失を認め結審した。判決は１２月１２日。

　弁護側の方針転換に、検察側は「元アルバイト店員佐々木美津子受刑者（３５＝業務上失火などの罪で禁固１年６月確定）の実刑判決を踏まえ、量刑を軽くするため。被告に真剣な反省がないのは明らか」と指摘した。

　論告によると、上江洲被告は適切な消火器具の設置や従業員の消火訓練などを怠った。１月２０日夕、佐々木受刑者が１人で店番中、調理場で油の入った鍋を加熱したまま放置し発火。火災で少年３人を一酸化炭素中毒死させ、５人に重軽傷を負わせた。

［2007年11月12日 日刊スポーツ］

　経営者なら責任を持って欲しいね