農業分野については、22頁より説明がありました。成果指標として域内農協の販売額として、平成19年209億、平成26年247億となっています。約38億円の増額となっていますが、これも、上伊那郡と下伊那郡の製造出荷額の差、南信州3,986億円、対して上伊那郡は9,367億円を埋めていくにはほど遠い数値です。
様々な対策が掲げられていて、それらを全部やると言うことは並大抵の努力ではないと思いましたが、それでも38億円の生産増です。
気になったのは、今後3年間の取り組み方針の中で、農協など日本農業を支えている組織が苦しんでいるWTO問題で、「WTO体制化での農産物の輸入自由化等が進む中にあって、産地は・・・・」と言うように農業者が望む方向とは逆の方向を肯定している姿勢に疑問を感じました。日本農業新聞のWebページでも、若林農相がWTOで少しでも日本の立場を有利にしようとしていることを報道していますが、この動きを応援すると言う立場があっても良いような気がするのですが。
人材育成等項目では、31頁にありましたが、様々な農業人育成プログラムが進展しておりこれは立派なものだと感心する内容でした。
プログラムの中でも触れられていましたが、定年退職後に農業を希望する人もいると言うことですので、もっとこれらの人をどうやって呼び込むかについて検討された方が良いのではないかと思う次第です。
今農業だけで、複数の子育てをして、高校大学まで出していくことは経済的に難しいとのことですが、定年退職後の人なら、大概は子育ても終わり、いかに余生を有意義に過ごすかと言う事に重点が移っている思いますので、農業で赤字にならなければいい程度に農地を使ってくれるのではないかと思います。
それに、信毎の昨年12月14日の記事では、大町市の計算では、ご夫婦で60歳で貸家を利用し町に移住してくれた場合、83歳までいてくれた時、7千万円の消費があり、市財政への効果は900万円と言うことですので、飯田市の場合どうなるか分かりませんが、こういった意味でももっと深く追求してみる価値があるのではないかと思います。
私の読み方が浅いのかもしれませんが、このレポートは今まで私が読んだ中では最も充実しています。しかしながら、このレポートでは南信州の農業活性化によって南信州の活性化がどれくらい大きく進展するかと言うことはわかりませんでした。難しいですね。農業問題は大きいので明日続きを書きます。
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