昨日母を飯田の病院に連れて行き定期健診、予定より早く終わったので、母の慰安をかねて昼食は、南信州の伝統的料理の一つである、飯田市美穂地区の伊豆木にある江戸時代から伝わるという「さば寿司」を妻が予約してあるというのでのんびり出かけました。
電話で場所は聞いてあるのですが、入り組んだ道で何軒かの家にお聞きしに寄ってみたのですが、土曜日というのにほとんどの家に人がいないのです。酒屋さんにお聞きし、小さな会社があって駐車場からでてきた人に聞いてようやくたどり着きました。
江戸時代この山奥にどうやって鯖を運んできたのか不思議に思っていたのでお店の小母さんにお聞きしたところ、塩漬けにした鯖をカマスか俵に入れて、馬で運んだ物らしいとのこと。海まで何日もかかるわけですから、1年に1回のお祭りの時だけのお料理とのことで貴重な物だったと思われます。
今ではどんな山奥に行っても、冷凍、冷蔵技術が発達していますから、お店があれば食べることができます。
お金を支払ったら作っているという、なめこを一袋くれました。なめこ栽培の部屋を見せてもらいましたが、元はぶなのおが屑だということでこれも良い勉強になりました。
庭の池には錦鯉がいっぱい泳いでいて、近づくと足音でみんな足元に寄ってきて口をパクパク開けて餌を催促し面白かったです。
天気も良いし、お店の近くの立石寺まで行き3人でさば寿司を食べてみました。お米も美味しいし、鯖の調理方法も塩漬けしたものを水で戻し酢でしめ直してあり普通の寿司屋さんで食べるしめ鯖とは違った美味しさがありました。
江戸時代、海から何日もかけて運んだ1年に1回の貴重な料理、そう思いながら一箸一箸味わって頂きました。
食べている途中、お寺のお大黒様が昼の鐘を突きに出てきて、ごーん、ごーんと雰囲気が出てくるのです。
食後お寺の近くの田畑を散策しましたが、小さな棚田が草ぼうぼうに放置されていて、これも混合エタノールガソリンが作られるようになると、エタノール生産用の植物に植え替えられて、また復活するなあなどと考えました。
母が柿を食べたいというので直産店に行き色々の野菜を買ったら、茸も売っていて、先ほどなめこを頂いたので、今夜は茸汁にしようと妻が言うのでそれはありがたいと何種類かの雑茸を買い、途中でお肉も買って夜はたっぷり茸汁を楽しみました。
母も辰野では味わえないお料理でとても喜んでいました。
テレビのニュースでは、アメリカ発のサブプライムローン問題でいっぱいですが、この長閑な生活とどう結びついているのか明日調べようと床につきました。
伊豆木のさば寿司