明けましておめでとうございます。
不思議な人ですね。
■須藤元気「神の啓示があった。天の声はどこにでも存在する」
――突然の引退発表に驚いたが、いつの時点で決めたのか?
前回の試合で後ろ回し蹴りでKOされたのですが、格闘技をやりはじめて、初めてもらった蹴りだった。自分はそれが見えてなかった。格闘技においてラッキーパンチというのはないと僕は思っている。あの蹴りで倒されたとき、神の啓示があった。僕には他にも挑戦したいことがたくさんあって、これからどうしようかという状況で試合に臨んで、負けて。その後、僕は天に質問したんです。公衆トイレの小便器の前に「一歩前に」との一文が目に飛び込んできた。あ、これは天の声だなと。それで違うステージで戦っていこうと決めたんです。天の声はどこにでも存在する。すべて必然です。
――今回勝っても負けても引退を決めていた?
そうです。
――試合に関しては?
首のこともあって、練習が思うようにできなかった。打撃は問題なかったが、レスリングができなかった。テイクダウンとられてしまって。上から攻められはしたけれど、最後は気力で取りに行きました。
――格闘界に思い残すことは
過去にとらわれると、未来が見えなくなるんで。
――仮に、さっきの試合で負けていても?
そうですね。僕自身、勝ち負けに対する意識が変わってきたんです。勝ち負けをずっと続けるのが格闘技ですが、それはキリがない。今の宗教戦争も同じだと思うんですが。もちろん、格闘技を見て下さる方がすっきりしてもらえたらいいんですが、敵は自分の内側にあるんで。
――須藤選手にとっての敵とは?
敵とは自分の中のネガティブな思い。僕はそれに打ち勝ちたい。自分に勝つことが本当の強さなんです。僕は強さを求めてプロになったんですが、振り返ってみて、内面はそれほど成長してなかった。自分の不安、恐れに勝たなければ、本当の幸せはない。そんな結論です。
――格闘技界からどこへ向かう?
格闘技界からの退却ではなく、違う方向性へ向かっていくんです。まずは世界を回ってみたい。もっと世界情勢を勉強したい。たとえば20%の人類が80%の資源を使ってるという不条理な現実。世界中を旅して、もっといろんなことに気付いていきたい。環境問題を専門に勉強していくつもりです。
――どんな世界が須藤選手にとっての幸せの世界ですか?
相手が自分であるとういう意識を、みんなが持てること。それが幸せの世界じゃないですかね。
――須藤選手にとって、格闘技とは何だった?
自分自身との戦いです。たとえば試合前の葛藤や不安。それらに打ち勝つことが、僕にとっての格闘技でした。
――須藤選手が自分の中の弱さを感じるのはどんな時?
例えば怒りを持つときです。怒りは不安からくる。そういったものをコントロールできれば、もっと幸せに生きられる。人は幸せになるために生まれてきた。それが人類のミッションなんです。
――引退すれば今ほどの発言力を失うとは考えなかった?
僕はもっと大局的に物事を見ているんです。たとえ格闘技がなくなっても、メッセージを届けられると考えている。その方法論は自分の中でイメージできています。
――今行ってみたいのは?
メキシコですね。古代マヤ文明に興味を持っているんです。バックパックは春前に出発する予定です。もうルートも作っていますよ。
――格闘技界への復帰の可能性はゼロ?
ゼロという可能性はない。引退しても格闘技の練習はやっていきますよ。やっぱり楽しいですから、格闘技は。
皆さん、今までありがとうございました。
不思議な人ですね。
http://04875246.at.webry.info/200611/article_1.html