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突然キレる子どもたちが増えている 暴れ出すと20〜30分は手がつけられない 最近、クリニックを訪れる患者さんの中に、突然キレる子どもたちが増えているように感じます。ささいなケンカがもとで、暴力をふるったり、泣き叫んだりして大人も手がつけられません。気分が落ち着くまで20〜30分は、なすすべがない状態になります。 小学校低学年のA君もそんな一人でした。学校で友達とケンカになり、そばにあった机を放り投げて暴れたといいます。その後もしばしばキレて、叫び声を上げながら学校を飛び出したり、友達を滑り台から突き落とそうとしたりするなど、情動のコントロールがききません。親も教師も困り果て、区の教育相談室に駆け込みました。 臨床心理スタッフがカウンセリングをしましたが、薬物治療も必要との判断から、8歳のときに紹介されてクリニックにやってきました。
ADHDに効く薬が効かない A君の症状は、ADHD(注意欠陥・多動障害)、自閉症、アスペルガー症候群、といった病気に一部似たところもありましたが、いずれの病気の診断基準にも当てはまりませんでした。A君はしばしばキレるのですが、ふだんは落ち着いて物静かなのです。 情動のコントロールができず、突然キレて暴れる子の中には、A君のようにこれまで知られているどの病気にも当てはまらない子がしばしば見られます。A君の脳波には若干の乱れがありましたが、同じ症状の子でも、脳波に乱れのない子が少なくありません。 さて、A君にはADHDの治療に第一選択として使われる精神刺激薬の塩酸メチルフェニデートという薬を処方しましたが、まったく効きませんでした。そこで、抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウムとカルバマゼピン、抗精神病薬のプロペリシアジンを飲んでもらうことに。 すると、キレる回数がぐんと減り、学校生活にも適応できるようになりました。薬の副作用で眠くなるため、授業中居眠りしてしまうことはありましたが、友達関係を壊すような行動に出なくなっただけ、親御さんも胸をなで下ろされたようです。
教育相談やスクールカウンセラーの活用を いまA君は中学生になりました。初診時に比べ体格もずいぶん大きくなりましたが、薬の服用量は以前と変わりません。相対的に薬の量は減っているといえるでしょう。この調子で少しずつ薬の量を減らしていくことができれば、と考えています。 A君のように情動のコントロールができない子どもは、おそらく脳内の何かの異常が原因となったもので、家庭環境などの問題ではないと思います。 幼児期から症状は出ているはずですが、暴れても大人が力で抑え込むことができるので、大きな問題にはなりません。小学校低学年から、問題が顕在化してくるようです。10代の後半まで成長すると、落ち着いてきて薬が必要なくなります。 精神科のクリニックのほとんどは、子どもを診療すると明示していないため、どこに相談すればいいのかわからなくて困っている方も多いでしょう。そんなときは、自治体の教育相談やスクールカウンセラーに相談してみてください。相談室のスタッフが、子どもを診てくれる精神科のクリニックを紹介してくれるはずです。
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