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マルチプレイヤーというのは大変結構な事だが
みんなマルチプレイヤーを目指すべき
・・・というのはちょっと違うと思う。





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私は重カ画マンになる前、木管楽器修理の工房で働いていた。
工房ではフランス・ドイツ・チェコなど様々な国の
たくさんのメーカーの楽器を毎日修理して、販売のサポートもしていた。
もちろんヤマ八も扱った。

ヤマ八というのはまさにマルチプレイヤーで、
音程・音色・レスポンス・耐久性・操作性、どれを取ってもよくできている。
プロ奏者もみな「いいね」と言う。
しかし、プロ奏者はヤマ八を良いと言う割には、
メイン楽器として使っている人はあまりいない。
(メインが故障した時のサブとして持ってる人は割といる。)

まあ、海外老舗メーカーを使いたいというブランド志向は確かにあるだろう。
しかし決定的な事実として、ヤマ八は魅力に欠けるのだ。
そのうち飽きてしまう。


一方海外の、各々欠点を持ったメーカーの楽器は
聴き手も奏者も選んでしまう、合わない人にはポンコツ扱いされても仕方ないようなひとクセあるやつらだが
それらには欠点を補ってあまりあるだけの、どこのメーカーにもない魅力がそれぞれ必ずあるのだ。

老舗の伝統とは侮れないもので、老舗はどこもみな、
「マルチプレイヤー・100点満点」を追求するのが
愚かなことだと薄々分かって作っている感じなのだ。
あえて欠点をそのままにしてある。

根本的な欠点を表面から直そうとすると、必ずどこかの機能が変わってしまう。
本来持ってる魅力からかけ離れていってしまうのだ。

欠点とは、直すのでなく付き合っていくのが
自然の摂理に叶っているという事を

彼らはわかっているのだ。





で、何が言いたいかっていうと
マルチプレイヤーというのはあくまでロジカルな理想であって
自然に生えてる木やら人間の能力がその形にはまるわけがないってこと。

欠点を認識することは必要だが、それを追求しても仕方がない。
それを得意分野でカバーしていくことができるはずなのだ。

マルチでなくとも
思いっきりベクトルの偏った能力を、思いっきり狭い範囲の人が見て
どストライクなら
それで十分存在意義があるのではないか?







という妄想を自分に言い聞かせてみるテスト。

※ヤマ八は現在はこの事に気づいたのか、
  あらゆるメーカーの良いとこ取りをやめて
  どれか一つのメーカーをコピーすることに専心して、
  ○○風機種みたいのをがんばって作ってるようです。

  といっても、ただのコピーにしても
  老舗の知恵に追いつくのは容易ではないんですけどね。
2008 08/25 01:25:25 | 日々の雑記 | Comment(0)
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