2007.12.9午前配信
ドルペッグとは?
自国の通貨価値をドルに連動させること。従って、1ドルと交換される自国通貨は固定されている。この制度を維持するために、そのような交換レートになるように政府が市場に介入し、規定のレートになるように努めている。
ドルに対し自国通貨が高くなりそうだと、ドルを買い支え、逆にドルの方が高くなりそうだと、ドル売りに出る。
湾岸諸国は、こうしたドルペッグ制を採用して、米国との貿易や投資などの取引を安定させようと努めている。
仮に、本邦のようにフロート制を採用していると、為替相場が動くたびに、輸出関連企業の業績が悪化するのではないかなどと気を揉むわけですが、ドルペッグ制であれば、その心配はない。
豊富なオイルマネーがあってできるワザなのである。
さて、湾岸諸国では、昨今の様なドル安になると、同時に自国通貨も安くなるわけで、貿易で得る海外製品が高騰し、インフレを招くことになる。これに対応して、クウェートはいち早くドルペッグ体制を離脱した。
通貨切り上げ「湾岸5カ国同時に」・UAE外相ら
【ドバイ=加賀谷和樹】サウジアラビアなどペルシャ湾岸の5カ国は通貨切り上げを同時に実施する方向で検討し始めた。バーレーンのハリファ外相、アラブ首長国連邦(UAE)のアブドラ外相が8日、相次ぎ表明した。輸入価格上昇によるインフレを抑える狙い。
外国為替市場の不安定化を防ぐため、通貨のドル連動(ペッグ)制度は維持する方針だ。
バーレーンで同日開かれた国際会議に参加した両外相の発言としてロイター通信が報じた。
アブドラ外相は通貨切り上げを検討しているのかという質問に、UAE単独ではなく「湾岸協力会議(GCC)としての適切な決定をする」と答えた。(日経サイト)