熱気球は「暖かい空気は、冷たい空気よりも軽い」という非常に単純な原理で上がっています。
暖かい空気は、冷たい空気よりも軽いため、上へ上へと向かいます。その力で、熱気球全体を上に押し上げます。
球皮(熱気球の上の風船の部分)の中の温度を、バーナーの炎で約80度に上げると、周囲の冷たく重い空気よりも、
中の暖かい空気が浮力を得て、上昇します。
昔は、焚き火などをして、その熱のある煙を球皮の中に入れて、飛んだりしていましたが、当時は、熱の力ではなく、煙そのものに、熱気球を浮上させる不思議な力があると考えられていて、焚き火をする時に、何を燃やせばいいかが色々と
試されたという話も伝えられています。
肉を燃やすと・・・といったぐあいです。
今では笑い話ですが、当時は皆真剣だったんですね。
ガス気球の場合は、球皮の中に水素やヘリウム等の「空気よりも軽い気体」を詰め込めばいいわけです。
気球は主に、球皮・ゴンドラ・バーナーで構成されています。
球皮というのは、上の風船のような部分のことです。球皮は軽く・丈夫なナイロン等で出来ており、万が一穴が空いたりしても、それ以上穴が広がっていかないように、格子状に編みこまれています。
球皮の下部は、バーナーの炎に近いところなので、上の部分よりは炎に強い燃えにくい物が使われています。
球皮の形は一般的には、水滴を逆にしたような形をしています。これはより効率よく浮力を得られるように考えられて、その形になっています。
球皮の部分がアニメのキャラクターの顔の形をしたり、車、バイク、家というように、色んな形をした熱気球があります。
こういった球皮の部分が特殊な形をした気球のことを、一般的に「シェイプドバルーン」「シェイプ」と呼んでいます。
見た目には非常に楽しませてくれますが、普通の熱気球に比べると、扱いが大変ですし、金額も通常のものよりかなり高くなっているので、中々目にする機会はないかもしれません。
熱気球の大会などでは、主に海外から、シェイプの熱気球が招待されて、参加しているので、足を運べば実際に目にすることが可能です。
次に人が搭乗する部分である、ゴンドラですが、材質は籐で出来ています。
籐が使われるのは軽くて丈夫なためと、障害物(主に木々)に接触したとき・あるいは着陸したときの衝撃を、吸収し和らげてくれるためです。
科学の発達した現在においても、このようなシンプルな素材でゴンドラは作られています。
他にも車椅子の方でも楽に乗り降り出来るように、扉付きのゴンドラもありますし、通常4人乗れば一杯になるゴンドラですが、より多人数を乗せることの出来る、大きなサイズのゴンドラもあります。
このように何十人も乗せるような大きなゴンドラになると、通常よりもさらに浮上するための揚力が必要になるため、上の球皮のサイズも大きなタイプのものになります。
より多くの空気を暖め、通常よりもさらに多くの浮力を得るというわけです。
そして熱気球の中心部であるバーナー。その火力は家庭用ガスコンロの約千倍にもなります。
コイル・ノズル・圧力計・バルブ・パイロットバーナー等で構成されており、燃料は普通の家庭で使われているのと同じ
液体プロパンです。
熱気球では、一般家庭で一ヶ月使用する量のプロパンガスを、約30−40分ほどで使い切ってしまいます。
ボンベの表面に、メーターが付いており、内容量がわかるようになっています。
またバーナーは、片方が使えなくなった時に、もう片方が使えるように、燃焼系統が二つあるダブルバーナーが主流です。
この点は、飛行機等の空の乗り物と共通しています。
例えば飛行機のエンジンなどは、プラグなども二つずつありますし、空の乗り物は、車などと違って、何かトラブルがあれば、
即、生死に関わるので、こういう作りになっているんですね。
次回は、活動の内容についてです。
熱気球イベント エックスバード