マイナーかも知れないけど『アンの世界地図』という少女マンガが好きです。
アル中の母親にないがしろにされながらもバイトをしてやっと手に入れたロリータ服を引き裂かれ、ショックを受けた主人公・アンが徳島にいる母方のおばあちゃんを頼りに家出をするというところから物語が動き始めます。
クラシック・ロリータのアンは徳島へ向かうフェリーの甲板で酔っ払いに絡まれたショックでおばあちゃん家への唯一の手掛かりとなる葉書を海に落としてしまいます。
仕方なくヒッチハイクで教会へ向かうつもりが何故か神社で降ろされてしまったのです。
とにかく神様に願おうと神社に入るや否や野猿に襲われ、その神社で巫女のアルバイトをしている、普段から着物で生活しているアキに助けられ、とりあえずアキの家に一泊することになります。
翌日、神社に落としてきたアンのトランクを見つけにいきますが、中に入っていたのはアル中の母親にビリビリにされたロリータ服だったのです。
それを見たアキと宮司さんは猿の仕業と思い込んだのですが、正体は母親と聞いて真剣な眼差しになり、アキは行き場のないアンに「家においでよ」とシェアハウス、というより『旅館アキ』の二人暮らしの冒険生活が始まるのです。
アンは寝てばっかりの事をアキに怒られますが、きちんと躾けられた事のないアンにとってそれは嬉しい事でした。
二人で暮らしている事を知ったアキの従兄弟のおじいさんが警察に渡そうとしますが、なんとか説得してこの家にとどまります。「何が正しくて何が悪い事なのか教えてくれるのがお母さんなら、アキが私の本当のお母さんです」と言われておじいさんも何も言えなかったのでした。
その後、アンはルールの知らない麻雀を初めて打ったり、したことのない梨の収穫(それでもロリータファッション)という畑仕事や、割ってしまったアキのお椀を買いに行くのに一人で汽車(電車ではないことにうろたえる)に乗り新しいお椀を一人で買いに行ったりと初めてづくしの生活をしていきます。こうしてアンは自分だけの世界地図を作って行くこととなります。
内容も勉強になります。
浴衣の着方やお箸の持ち方、日本にドイツ人捕虜がいた、とか私も初めて知ることが多くてワクワクしながら読んでいます。
現在3巻まで出ていますが、連載はまだ終わっていません。
次の新刊が待ち遠しい私です。
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