スイスを旅行した時の事です。

そそり立つ岩山に囲まれた、ヨーロッパで一番美しいと言われる山間湖であり、神秘的な緑青色の水をたたえた静かな湖、エッシネン湖を訪れました。

湖の周りの草地や斜面に、大きなベルを首に下げた牛が20頭ぐらい放牧されていました。
彼らは食用牛ではありませんので、とても穏やかで、草地にゆったりと横たわっていたり、水辺に佇んでいて、ほとんど動かずにいます。
牛とエッシネン湖一体が醸し出すのどかな雰囲気がマッチし全てが悠然としていました。
でも牛はとても大きいので私は怖いのです。
が、ガイドブックに人に慣れていると書いてあったので、好奇心から近づいてみたくなり、1歩また1歩と牛の反応を見ながら歩みよりました。
これ以上は怖くて駄目、という所で一緒に写真に納まりました。
彼らは一向に動じず、触っても大丈夫そうでしたが、恐怖心に勝てず最後の一歩が踏み出せませんでした。
触ってみれば良かったと残念です。

水辺に立っている10頭程の牛にも近づいてみましたが、彼らの方がこちらに興味があるようで、ジーと見つめられました。
牛の目をこれほど近くで見たのは始めてでした。小さくて優しそうな目をしていました。
牛がこちらに近づいて来そうな気配で、なんだか怖くて私の方から離れましたが、体は淡い茶やベージュ、顔と足は白っぽく、全体がパステルカラーのなかなか美しい牛達でした。