人助け、素晴らしいですね。先日、
年配の方に良く話しかけられると申しましたが、他にも老若男女問わず、道をよく訪ねられます。ちょっと異常なくらいによく訪ねられます。話しかけやすいんでしょうか。これも立派な人助け、いつも気持ち良く道を教えてあげます。ただ、悲しいかな私はかなりの
方向音痴です。悪気はないのですが、ウソも多々あるはずです。でも大切なのはハートなのです。
今日の小話
「ある日、残業で夜の10時過ぎになり、疲れ果てて帰ろうとしていた日のことです。
当時、私は熱狂的なファンで有名なスポーツチームを持つ某有名私鉄を使って通勤しておりました。駅のホームへ上がるエスカレーター(10時を回ると止まります)をトコトコ上がっていると、私のだいぶ前を、いい感じに出来上がった年配の男性がフラフラとしながら、ちょうどエスカレーターを上りきっていました。
危ないなと思っていたのですが、次の瞬間、彼は消えました。オイオイ、とあせって駆け上がるとホームにはイチャイチャしてるカップルしかいませんでした。
まさかと思い、線路に目をやると、……いました。線路の上にひっくり返っていました。それも笑っていました。
これはまじでヤバイ、カップルは相変わらずイチャイチャしています。そうです、次の電車まで4分ほどしかありません。私がやるしかありません。
必死でした。エスカレーターも逆走しました、どうせ動いてないので関係ありません。改札に行くとシャッターが閉まっており、インターフォンを押すと、
はーい、なんですかー。
眠そうな声がします。
ホームからおっさんが落ちて大変なんですけど!
えーっ!ほんまですかっ!
とりあえず、はよ来て下さいね!
と駅員さんに助けを求めて、私はまた現場へと駆け上がって行きました。
カップルは相変わらずイチャイチャしています。駅員さんはなかなか来ません。やるっきゃないです。
エイヤッ!ホームから飛び降り、おっさんに声をかけると
あっはっはー、落ちてしもたー。
ダメです、現状を全く理解していません。こうなったら火事場の馬鹿力です。やりました。彼をなんとかホームに上げることができました。バカップルはイチャイチャしながらこちらを見ていました。どついたろかと思いました。
そこへ電車が来ました、しかし駅の手前で停車しました。どうやら改札の駅員さんがなかなか上がって来なかったのは、走っている電車に連絡をしていたためのようです。結果的には、私が線路にまで下りる必要もなかったのですが、その時は達成感でいっぱいでした。
事情を説明し、駅員さんにお礼を言われ、また後日連絡しますので、と言われたので名刺だけ渡し、私はその場を格好良く去りました。
翌日、感謝状でももらえるのだろうと想像し、その事件を職場で言いふらし、連絡を待ってワクワクしていました。
その日は連絡がありませんでした。次の日も、その次の日も……。現在、待ち続けて3年半が過ぎようとしています。おかげで私はオオカミ少年呼ばわりです。
でもいいのです。バカップルは分かってくれているはずです。なにより、私もその私鉄が持っているスポーツチームのファンなのです。だからいいんです。もういいんです。
長くなりましたが、人助けはいいものです。まあぼちぼちがんばりましょう。」
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