パソコンを使うようになって手書きで文字を書く機会がめっきり減った。それでなくても昔から漢字は苦手なのだ。
子どもの頃、作文を書くとひらがなの多い文になるのが嫌だった。ちょっと難しそうな文に見せたくて覚えたばかりの横文字をカタカナで書いて作文に入れたら、高校の国語の教師に「他の人が読んでわからない文字を入れるな」と言われてがっかりしたっけ。「わからなかったら調べろよ」なんてその当時の私が言えるはずもなく・・・。
母はよく漢字の読み方がわからないと私に聞いてくる。 自分で辞書で調べるのが面倒なのか、私に勉強させようと思っているのかわからないが、とにかく遊びに来るたびメモ用紙に何やら漢字の書かれたものを持ってくるのだ。
このあいだはみかんを入れた袋に怪しげな漢字の書かれたメモを母が帰った後に見つけた。まるで暗号文だ。 電話すると「ああ、それね。読めなかったから聞こうと思って入れといたのよ」 『絲綢之路』、シルクロードと読むのだそう。 しかし、母の書き方は『絲 綢之路』と妙なところが区切ってあったりするので調べる方もなかなか大変なのだ。
最近は携帯のメールで「次の漢字が読めないので調べてきてください」と書いてあったりする。まるで漢字問題をメールで送られてる気がする。 今度の問題は『神の恩籠』。検索すると出てはくるが読み方がわからない。かみのごかご?かみのめぐみ?辞書にも載ってない。 宿題が出来ないまま実家に行ったら、それが『アメージンググレイス』という歌の意味だというので英語の辞書まで出して調べた。するとなんのことはない、字が違ってたのだ。正しくは『神の恩寵』(かみのおんちょう)で、寵愛の寵。ウかんむりなのに竹かんむりのかごという字を書いてたんだよね。わからないわけだ。 しかし、間違った文字で検索してあれだけ出るっていうことは結構皆間違えてるのかも。
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