米で、低位所得者向け住宅ローンの借り手に対する支払い金利減免措置がとられる可能性があるとのニュース。
米、不安深刻化を懸念 サブプライム金利減免案
2007年12月03日01時10分(朝日新聞サイト)
低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き急増を防ぐため、米国の金融当局・業界は5日にも、借り手の金利を減免する「徳政令」案の詳細を発表すると見られる。背景には、住宅不況による不良債権の膨張を食い止めないと金融不安に拍車がかかるとの危機感がある。来年にかけて金利が跳ね上がる200万件のローンの大半が対象になるとの観測も出ている。
サブプライムローン金利は、客を引き寄せるため契約後2〜3年は比較的低金利の7〜8%にとどめ、その後は数%幅上がる変動型タイプが多い。ポールソン米財務長官らが金融業界と調整している救済策は、金利を上昇させず、契約当初の水準で凍結する案だ。
ローン債務者の収入や生活費の支払い、住宅評価額下落の状況などから困窮ぶりを総合的に判断。金利上昇後の返済が困難と判断された人を対象に、7年ほど据え置きを認める案も検討されている。富裕層を除きつつ、もともと返済能力に欠ける
貧困層も対象外にして、返済の基礎体力がある「中間層」を軸に救済する計画だ。
来年金利が上昇するローン債権の総額は約3600億ドル(約40兆円)に達する見通しだが、「かなりが延滞債権になる危険性がある。金利凍結の対象者は120万件ほどにのぼる可能性もある」(政策関係者)という。米住宅ローン業界では、大恐慌期を除いて史上最大規模の減免・救済となるのでは、とささやかれている。