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先づ、次の文章が何のことなのか……謎謎である。
『宇宙を普遍的に支配する法則、宇宙の基本的なBalanceは、始終、破られてゐる。Energie(エネルギー)保存則を無視して、真空から、電子や陽子のやうな物質が――まるで手品の空っぽの帽子から鳩や兎が飛び出すやうに――ポンポンと出て来るのである。これを「真空の揺らぎ」と呼ぶのであった。但し、このやうな奇妙な現象は、観測者(主体)が観測してゐない時にしか起きない。一旦、無から生成された物質は、観測者(主体)が――周囲が――Unbalanceに気づく前に、無へと直ちに回帰してしまふ。結局、無から飛び出した電子や陽子たちは、観測者(主体)の眼には、「存在してゐなかった」ことになる。』――引用(『本 読書人の雑誌 2007年6月』【講談社】〜<とき>の思考――大澤真幸著:「独裁者という名の民主主義」〜(一部私が変更)
上記の記述には大澤真幸の理解不足が散見されるが概ね正しいとして、さて、何のことなのか解るだらうか。
先づ科学関係、それも物理学関係の事だとは解ると思ふが、しかし、科学者の間では上記の引用が「常識」なのである。
さう、量子力学のことである。量子力学における現象は一般の常識を越えた事がしばしば起こるが、上記の引用は彼のアインシュタインが生涯受け入れられなかった量子論の基本の基本の考え方である。アインシュタインでさへさうなのだから一般の人々にとっては尚更受け入れられない考え方である。
一言で言ふと私の背中では上記の引用の摩訶不思議としか言へない「現象(?)」が常に起こってゐることになる。
――はっはっはっ、可笑しくて仕様が無い……
さて、しかし、ここが大きな問題である。上記の引用が科学者の「常識」といふ事が――空恐ろしくて悪寒が体を走る――「文明」の基本の基本にある考え方なのだ。
――逃げろ ! !
さう、文明から即刻逃げなければ観測者にされた主体はこの世の「文明世界」で弄り殺され兼ねないのだ。
――奇妙奇天烈な『文明』から……早く、早く、逃げろ ! !
アインシュタインの一般相対性理論と量子論が「統一」された「大大統一理論」が理論物理学の世界で確立されない限り狂気の沙汰としか言へない「文明」から逃げる外、私たち一般の人々が「文明」に弄り殺されずに生き残る術は今の所……無い。
――誰か吾を助け給へ……
童歌の「かごめかごめ」
籠目籠目 籠の中の鳥はいついつ出やる 夜明けの晩に鶴と亀がすべった 後ろの正面誰
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