前から思っていたのですが、民事の落とし穴ですよね。 賠償命令に従わなくても、罰則ないなら被害者は泣き寝入りしかないなんて、誰が考えてもおかしな事だと思います。 弱者が泣きをみる法律なら、改正すればいいのに。
損害賠償求め裁判、「勝訴」したのに支払いされず…司法制度の隙間で泣く被害者たち。
7月8日 奈良県内に住むAさん。16年前、およそ2,400万円で一戸建てを購入しました。 ところが3年後、家を売りに出そうとした時、販売業者が嘘の申請をした事が発覚しました。 つまり、Aさんの家は建て替えなどができない違法物件だったのです。
裁判を起こした結果、「売買契約は無効だ」として業者に、およそ3,000万円を支払えとする判決が確定しました。 ところが判決確定から8年たった今も、業者から賠償金が一切支払われていないというのです。 --- 答えは、民事裁判の仕組みにあります。 裁判所が販売業者に賠償命令を言い渡し、仮にこの判決に従わないとしても、業者が罰せられることはありません。 その代わりとしてAさんは裁判所によって、業者の財産を強制的に差し押さえてもらうことができます。 ただし難しいのは、この財産のありかをAさんが探し出さなければいけないということです。
Aさんは、社長の家や会社の近くを中心に18の金融機関を選んで口座を差し押さえようと試みました。 結局、印紙代など差し押さえにかかった費用が5万2,000円。 回収できたのは2万5,000円で、2万7,000円の赤字になりました。
一方の社長は登記簿などによると、母親とみられる名義の一戸建てに住み、 会社の所在地となっている4階建てのビルは、父親とみられる人物が経営する不動産会社のものでした。 消費者問題に詳しい三浦弁護士は、これではAさんにはどうすることもできないといいます。
こうした問題を解決しようと10年前、「財産開示手続き」という制度ができました。 「財産開示手続き」とは、裁判所を通じて被告側がすべての財産を申告しなければいけないという制度です。 しかしこの制度の実効性は乏しいと話します。
「応じなかった場合の強制力が、せいぜい30万円の科料というだけなんですよ。 何千万払うか払わないかと、払いたくないと思っている人間に痛くもかゆくもない」
裁判で勝っても救われないどころか、さらに原告を苦しめる現実。 司法制度の隙間で、被害者は今も増え続けています。
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