老舗の高級料亭「船場吉兆」で、料理の使い回しをしていた事件を受けて、飲食店で働いている人と、消費者を対象としてアンケートを実施した結果、驚きの実態が明らかになりました。
飲食店で働いている100人に、「料理を使い回した経験がある」と回答した人は、全体の15%を占め、「刺し身に添えるツマなどを使い回した経験がある」と答えた人は、なんと21%にものぼりました。
さらに驚いたのは、消費者200人を対象にしたアンケートの回答です。
「飲食店において、手をつけていない料理を使い回していると思うか」という問いに、「そう思う」と答えた人は全体の86.5%でした。 「刺し身に添えるツマなど」に関しては、なんと93.0%もの人が「使い回しを行なっていると思う」と答えているのです。
飲食店での刺し身のツマやパセリの使い回しは、昔から消費者の間でも、噂になっていたことです。 ところが、偽装が立て続けに起こっている近頃では、消費者は使い回しの実態よりも、そのような行為は、どの飲食店でも当然やっているのでは、と思い込んでいるのです。
「使い回し」が公になった直接のきっかけは「船場吉兆」の事件ですが、それを当然のように行なってきた多くの飲食店にも原因があるはずです。 捨てるのはもったいないから、わからなければ問題ない、などと考えて、使い回しを行なっている飲食店は少なくないようです。
「船場吉兆」の事件をきっかけとして、まだそのような古い考えの飲食業界に対して、厳しく改善を求めなければなりません。
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