岩波ホール総支配人・高野悦子さんのご逝去を悼み、ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、謹んで哀悼の意を表します。 高野さんは、私どもロシア映画社の前身である日本海映画社の時代、八方塞がりともいうべき日本におけるロシア(ソビエト)映画の上映に暖かい手を差し伸べてくださいました。アンドレイ・タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」やゲオルギー・シェンゲラーヤ監督の「ピロスマニ」など、高野さんのご支援がなければ、日本での劇場公開はありえなかったかも知れません。 映画の道を迷うことなく邁進される高野さんのお姿は、羨ましくも頼もしくもありました。ともすれば卑屈になりがちな私どもを叱咤激励し、自主配給に奮い立たせてくださったのは、高野さんに他なりません。ロシア(ソビエト)映画配給の中興の祖とお呼びするべきかもしれません。 きっと天国でも世界中の「映画の仲間たち」と語り合い、休む暇もなく活動されることでしょう。どうか、私どもを見守り、映画への愛にあふれた世界にお導きください。 ありがとうございました。 ロシア映画社松本支局
|