「日本むかしばなし」みたいな題名ですが。 本日は歴史をかなりさかのぼります・・・。
むか〜し、むかし。 トクタサツオが小学生の頃のことじゃった。
トクタサツオはその頃父親の勤める会社の社宅に住んでおった。
そしてある日のこと社宅の女房達がちょっと集まってお茶を飲んでいたのじゃった。
その時一人の女房がこう言ったのだそうだ。 「ああそうじゃ。Oさんの女房殿も呼んであげようよ」 「そうだね。じゃあウチの息子をやるわ」とサツオの母親が言ってこう命じたのじゃ。
「サツオ、Oさんのおばさんを呼んで来な」 そしてサツオは、その部屋を出て行った。
その社宅は五階建てで、Oさんも同じ建屋に住んでおった。 またサツオの母親とOさんの女房はとても仲がよかった。 Oさんにも二人の男の子がいて、もちろんサツオも彼らと友人じゃった。
さてサツオはOさんの部屋へ行き、呼び鈴を鳴らした。 するとOさんの息子がすぐ出てきた。
そしてサツオは何と 「おかあさん、いる?」と聞いたのじゃ。
するとその息子は即座に 「いない!」と答えたのじゃ。
サツオは 「そう。じゃあね」と元の部屋へ戻り母親達に 「Oさんいなかったよ」と返答したのじゃった。
ところがOさんの女房殿はちゃんといたのじゃった。
彼女は勘のいい方で、自分の息子からその話を聞くとすぐに 「サツオ君はもしかしてワシのことを尋ねてきたのではないのかのう?」と考えた。
そしてすぐに連絡を取り、何とか合流できたのじゃった。
サツオは「君のお母さんいる?」と聞いたつもりであったが、Oさんの息子は当然サツオが「自分の母親」を探しに来たと思うてしまったのじゃ。
ばからしいといえばばからしいお話じゃ。
サツオは後で母親から 「おまえ、そういう時は『おばさんいる?』だろう!」とたっぷりと文句を言われたとさ。
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