ウルトラマン第十七話「無限へのパスポート」。
非常に難解な作品であり、解説するのも大変だと思われます。
冒頭世界的な探検家イエスタディが、自室でバローン砂漠から持ち帰った隕石を、ハンマーで叩いて調べていました。 突然その隕石が、?字型に変身するとアンテナのような物を二本出して、光りました。 そして驚いているイエスタディの姿が部屋から消えてしまったのでした。
イエスタディの女性秘書が入ってきましたが、彼の姿はどこにも見当たらず、一週間たってしまったのでした。
科学特捜隊にこの事件の調査が依頼されて、イデとアラシがイエスタディ邸へと向かいました。 イデとアラシはイエスタディの一番身近な人物として、その秘書、藤井養子を疑っていたのですが、彼女に会った二人はその考えを打ち消しました。 それほど養子は美しく、上品な女性だったのです。
そして二人が養子と、イエスタディと一緒に隕石も無くなったという話をしていた時に突然家が揺れ始めました。
三人は慌てて外に出ました。 するとイエスタディが庭に倒れていました。
助け起こすとイエスタディは正気づき 「ミスター福井が危ない!」と叫びます。
するとその時、例の隕石も側に転がっていましたが、突然いずこかへ飛んで行ってしまいました。
ミスター福井というのはイエスタディの親友の福井博士のことで、バローン砂漠から持ち帰った隕石のもう一つを所持していたのでした。 その隕石は二個あったのです。
アラシが福井博士の所へ向かい隕石を借り受け、科学特捜隊の基地で保管することになりました。 また福井博士を保護することも引きうけたのです。
一方いずこかへ、飛んで行ったもう一つの隕石は道路に転がっていたところをまた別の科学者、川口博士に拾われました。
川口博士がスペキュラー光線を隕石に当てるとまた例のV字型の生き物のようになり、今度は研究室の時空をゆがめてしまいました。 苦しむ川口博士ですが、どうにもなりません。
博士の声を聞いて、駆けつけてきた吉沢助手は研究室が異様な状態になってしまったことに驚き、科学特捜隊に連絡しました。
ムラマツ隊長はイデとアラシに福井博士から預かった隕石の保管を命じて、ハヤタと川口研究所に向かいました。
二人を迎えた吉沢助手が異変のあった、研究室の扉を開けると何も起こっていないようにみえました。 ところが突然あのV字型の隕石が現れました。
驚いて逃げ出す吉沢助手でしたが、何かの力で外へ放り出されてしまいます。
ムラマツとハヤタは隕石を手にしますが、四次元の世界になってしまったことがわかりました。 ハヤタの機転で隕石を遠くに放り投げると、研究所は元の戻り、川口博士も吉沢助手も助かったのです。 そこへ救援に向かったイデとアラシも合流して、もう一つの隕石も収容されました。
二つの隕石は科学特捜隊の基地で一つのケースに収容されたのです。
しかしホシノ少年はイエスタディ氏のところで。 ハヤタは入院した川口博士に話を聞くのですが、二つの隕石を一緒にしてはいけないということでした。
果たして二つの隕石は核融合を起こし、一つの物体となって活動し始めたのでした。
ホシノ少年が慌てて駆けつけ、アキコのその話をしますが、信じてもられません。 それどころか、外に追い出されてしまいます。 ハヤタも基地に連絡し、ムラマツ隊長がアキコに調査を命じますが連絡がとれませんでした。
そしてついに四次元怪獣ブルトンが現れ、基地を四次元の世界へと取り込んでしまったのです。
基地の中で、イデは川口博士と藤井秘書のガードと救出を、ムラマツとアラシは保管室へ向かうようにしますが、いろいろな奇怪な現象に苦しめられます。
イデは断崖から飛び降りたり、ムラマツとアラシは壁にぶつかって、何とか三次元の世界には戻れたようですが、基地から脱出はできませんでした。
また外ではアキコが防衛隊に連絡して、戦車とジェット戦闘機隊が出動、ブルトンを攻撃します。
しかしブルトンは、身体の各所にある突起かたアンテナのような物を出し、ここから怪光線を発射。 防衛隊をも四次元の世界へ放り込んだりして、戦車や戦闘機を次々に爆破、全滅させてしまうのでした。
ついにハヤタはウルトラマンに変身したのでした。
ウルトラマンがブルトンにぶつかります。
だがさすがのいウルトラマンも例の怪光線の攻撃で空中に釘付けにされてしまいます。 その後地面に叩きつけられ、四次元に放り込まれてしまいます。
何とか持ち前のパワーと飛行能力でこの四次元世界から脱出しました。 そして今度はウルトラマンが胸の手を交差させ、ぐるぐると高速回転を行い、ブルトンの怪光線を送り返しました。
アンテナがスパークし始めました。
すかさずウルトラマンはスペシウム光線を発射しました。
ブルトンは火を噴き始めましたが、なおも飛び上がって逃げようとします。
さらにウルトラマンは追い打ちをかけました。 ブルトンは爆発、元の小さな隕石に戻ってしまいました。
ウルトラマンはそれを握りつぶし、いつものように空へ飛んでいきました。
こうして事件は解決、科学特捜隊の基地も正常に戻りました。
今回大活躍したホシノ少年は、キャップからのご褒美として、科学特捜隊の少年隊員になったのでした。
このようになかなかわかりづらいところもある作品です。
ブルトンとは何だったのか、その正体さえわかりませんでした。 隕石が生き物になるという話は、ちょっと変です。
まあでも観ているぶんには面白かったですけどね。 特にあの四次元の世界でのいろいろな現象は、印象に残っております。
もし四次元の世界へ迷い込んだら、崖から飛び降りればいいんだ、とか子供心にも思ったほどで、またこういった夢も見たりしたものです。
ブルトンは絵に描きにくい怪獣?のNO1かもしれないですね。 また案外こういった怪獣が最強かもしれないですよ。 人気もあまりないみたいですけどね。
ウルトラマン最強の怪獣といえば、レッドキングかゼットン、メフィラスかゴモラ? こういった怪獣、怪人をあげる人が多いと思いますが、このブルトンのパワーこそ物凄いものでしょう。
脚本 藤川 桂介 特殊技術 高野 宏一 監督 飯島 敏宏 撮影(本編)内海 正治 (特撮)佐川 和夫
ゲストは、福井博士に時代劇の悪役や日活過激作品にも御出演の船橋元さん。 イエスタディの女性秘書の藤井養子役に那須ますみさんです。
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