ウルトラマン第十九話「悪魔はふたたび」です。
けっこう面白い作品でしたね。
冒頭に東京のビル工事現場から不思議な金属カプセルが発掘されたという場面から始まります。
宇宙考古学の権威、福山博士と科学特捜隊が現場へ向かいました。
そして福山博士の推定によるとおよそ三億五千年前のもので、タイムカプセルのようなものではないかということでした。 カプセルの蓋をあけると、青い液体のようなものが入ったさらに小さいカプセルと金属板が入っていました。
金属板は福山博士の元で調査されることになり、カプセルは石岡博士の鉱物試験場で調査されることになりました。
イデはまだ何か入っていたのではないかと言いましたが、アキコに軽くたしなめられ、科学特捜隊と福山、石岡両博士は引き上げました。
ところがイデが思ったとおり、タイムカプセルにはもう一つ小さな赤い液体の入ったカプセルが入れられていたのでした。
そのカプセルは誰にも発見されることもなく、トラックで郊外へと運ばれ、他の土砂と一緒に捨てられたのでした。
科学特捜隊の基地ではやはりカプセルの話で持ちきりで、三億五千年前というのは恐竜がいた頃よりはるか前で、現代の人類よりはるかにすぐれた文明があったのではないかという頃だったのです。
やがて福山博士から連絡が入り、あの金属板は書類らしいというのでした。
ムラマツ隊長はイデとハヤタを福山博士の研究所に向かわせました。
そしてイデがその金属板を取り落とすという失態をしでかしたのですが、そのために光の反射で字が浮き出すことがわかりました。 また鉱物試験場の方でも青い液体の入ったカプセルを開けようと必死の作業が行われていたのでした。
一方郊外へ捨てられていた赤い液体の入ったカプセルには、ちょうどその頃発生した雷が落ちて爆発して中から赤い怪獣が現れました。 そして赤い怪獣は大暴れを始め、都心に向かうのでした。
この事件はただちに科学特捜隊に知らされ、アラシが小型ビートルで向かいます。 ビートルの攻撃にも赤い怪獣はなかなか倒れません。
イデは基地に戻り、ムラマツ隊長と一緒にビートルで赤い怪獣攻撃に向かいました。
二機のビートルの攻撃でも赤い怪獣は倒れず、防衛隊のジェット戦闘機隊も救援に駆けつけますが、火炎を吹いて戦闘機を撃墜するのでした。
鉱物試験場では、青い液体の入ったカプセルに、雷撃が行われていました。
その頃福山博士の研究所でもようやく金属板の文字が解読できました。 金属板には恐るべきことが書かれていたのです。
「我々はようやく悪魔の怪獣、赤いバニラと青いアボラスを捕らえて、液体に変えて地中深く埋める。 決して開けてはならない。 再びこの悪魔に生を与えたなら、人類は滅亡するだろう」
福山博士達はただちに鉱物試験場に電話を入れますが通じませんでした。
時すでに遅し、鉱物試験場では青い怪獣アボラスがよみがえっていたのです。
アボラスは鉱物試験場を破壊するとこちらもビル街の中を暴れ始めました。 溶解液を吐き出し、ビルを溶かしていきます。
福山博士は自分の行為を軽率だったと悔いますが、二匹が闘ってくれることを願っていました。
果たして赤い怪獣バニラと青い怪獣アボラスは引き合うように進み、国立競技場であいまみえたのです。
アボラスとバニラは闘い始めました。
科学特捜隊と福山博士も出動しました。
激しく闘う二匹でしたが、アボラスの方が優勢でした。
バニラが倒れ、アボラスは溶解液を吐きます。 バニラも火炎で応戦しますが、溶解液とぶつかって爆発しました。
機を見て、アラシが原子弾をバニラに撃ちこみます。 たまらず倒れるバニラ。 そこへアボラスが再び溶解液をバニラに浴びせます。
今度はそれがバニラの体を覆い、ついにバニラは倒されました。
残るはアボラス一匹ですが、ここで科学特捜隊の武器のエネルギーが切れ始めてしまいます。
ここでハヤタはウルトラマンに変身しました。
アボラスは巨体と怪力、溶解液でウルトラマンを苦しめます。
溶解液をかぶった時もありました。
しかしこれをウルトラマンは振り払い、スペシウム光線を発射しました。
アボラスもなかなか倒れません。
何度目かの攻撃でやっとアボラスは爆破、炎上するのでした。
きょうもウルトラマンは勝ったのでした。
複数の怪獣が登場するのはウルトラシリーズでは、「ゴメスを倒せ」「怪獣無法地帯」に続いて三作目ですが、大都市に現れたのは最初であります。 その辺りがとても面白く惹き込まれました。
けっこう気にいっている作品でした。
三億五千年前に現代以上に進んだ文明があったというのはもちろんフィクションの世界ならではのことなのですが、やはり何か面白いですね。
アボラス、バニラは顔は凶暴そうでなかなかいいですね。 ただしアボラスの体はレッドキングですね。
バニラはオリジナルのよいうですが、絵に描きにくい怪獣ですね。 造型もかっこ悪いです。 わざとそのようにしたのでしょうけれど。
脚本 山田正弘 南川竜 特殊技術 高野宏一 監督 野長瀬三魔地 撮影(本編)内海正治 (特撮)佐川和夫
福田善之さんが、福山博士、丸山謙一郎さんが石岡博士でゲスト出演されています。
|