ウルトラセブン第五話「消された時間」です。
「地球の頭脳」と呼ばれているユシマ博士が、南極の氷の下にある地球防衛軍科学センターから日本の地球防衛軍極東基地に超音速旅客機に乗って向っていました。 ユシマ博士は博士号を五つも持つ天才的科学者でした。
その目的は博士が発明したユシマダイオードを防衛軍基地のレーダーに装着して、レーダーをさらに強化するためです。
そしてウルトラ警備隊のフルハシがその護衛を担当することになりました。
ところがユシマ博士の乗ったその旅客機が、突如怪光線に包まれます。 その旅客機の中では何と時間が止まってしまったのです。
すぐにまた時間は動き、旅客機は飛行を続けますが、何者の仕業だったのでしょうか・・・。
ユシマ博士を乗せた旅客機は飛行場に到着して、キリヤマ隊長以下ウルトラ警備隊員の出迎えを受けます。 そしてダンが博士と護衛のフルハシがホテルまで送って行きました。
その夜ユシマ博士の泊まるホテルをまたあの怪光線が包みます。 また時間が止まりました。
すると今度はテレビに、エビのような奇怪な生物が写りました。 その生物は宇宙人でヴィラ星人と名乗りました。
ヴィラ星人はユシマ博士を起こすと博士はもうヴィラ星人の手先だと言いました。 あの旅客機が怪光線に包まれた際に、博士は彼らに洗脳されてしまっていたのでした。
そしてユシマダイオードを持ってこさせ、光線を浴びせました。 また極東基地のレーダーの破壊とダンの存在とダンに注意するように命じました。
翌朝ダンはフルハシとユシマ博士を迎えに来ますが、ポインターで基地まで贈る途中、博士を怪しみます。 でもこの時は何も起きませんでした。
基地に着いたユシマ博士はダンにあのヴィラ星人が光線を浴びせたダイオードをダンに渡しました。
ダンがそれを機会にセットするといきなり爆発が起こりました。 そしてレーダーが壊れてしまったのです。
この事故についてユシマ博士はダンを疑うようなことを言いました。 これはヴィラ星人の策略であり、事故を起こさせその嫌疑をダンに向けさせその動きを封じようとしたのです。
レーダーを壊された地球防衛軍はウルトラホーク3号を発進させパトロールに向わせました。 その頃宇宙空間ではこのレーダーを破壊させたヴィラ星人の宇宙船団がこの間隙を狙い、地球に向っていました。
またダンは、地下室でさらにヴィラ星人に破壊工作の支持を受けているユシマ博士を止めて正気づかせようとするのですが、逆に博士を狙ったと思われて独房に監禁されてしまいます。
ヴィラ星人の宇宙船団は刻一刻と地球に近づいてきており、ユシマ博士は破壊工作を行おうとしています。
ダンはついにウルトラセブンに変身しました。
ウルトラセブンは独房の扉を破壊して、脱出するとウルトラホークを壊そうとしていたユシマ博士を気絶させ、これを阻止しました。 そして外へ飛び出します。 ウルトラホークも破壊を逃れ出撃しました。
ヴィラ星人の宇宙船団は地球の大気圏内に突入してきました。
ウルトラホーク1号と3号がこれを迎え撃ち、光線を応洲して、激しく戦い始めました。 何機かの宇宙船が撃ち落されます。
ウルトラセブンも加わります。 セブンは指令船と見られる宇宙船にエメリゥム光線を放ち、これを墜落させました。
宇宙船は炎上しますが、その炎の中から巨大化したヴィラ星人が姿を現しました。
ウルトラセブンとヴィラ星人の対決となりました。
そのシッポや光線で攻撃してくるヴィラ星人。
ウルトラセブンはバリヤーで光線を防ぐと、アイスラッガーを発射、ヴィラ星人の体は二つに斬られてしまいました。
たまらずヴィラ星人が倒れた所にウルトラホークの光線の攻撃を受けた宇宙船が墜落、その体を炎上させました。
こうしてこの事件は解決しました。
ユシマ博士は正気づき、ウルトラ警備隊にわびるのでした。
ヴィラ星人は「洗脳」という手を使ってきました。 なかなか見事な作戦であったと思います。
第一話で登場したクール星人以上に「昆虫」のような形ですが、その知能と科学力、そして悪賢さは大したものでした。
でも何と言いましてもこの作品で一番印象に残ったのはモロボシ・ダンの独房監禁事件でしょうね。 トクタサツオはリアルで観ていましたが、本当に驚きましたね。
そしてユシマ博士を演じたゲストの山本耕一さん。 当時は人気俳優さんで、いかにも天才科学者という名演技でした。
後にワイドショー番組で「そ〜なんですよ」という流行語も作られました。
面白いことに後のNHK大河ドラマ「天と地と」では長尾春景役で御出演で、モロボシ・ダンの森次晃嗣(森次浩司)さんも北条氏政役で御出演されていたのです。
脚本 菅野昭彦 監督 円谷一 特殊技術 高野宏一 撮影 永井仙吉 美術 岩崎致躬、成田亨 特殊撮影 鈴木清
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