ウルトラセブン第七話「宇宙囚人303」です。
三谷峠近くの林の中で二人のハンターが猟を行っていました。
そしてハンターの一人が円盤状の小型の金属物体を発見しました。 すると突然何者かが二人を襲ったのです。
その頃地球防衛軍の宇宙ステーションV3が怪電波を受信していました。
このV3は宇宙の侵略者から地球を守る前進基地の役割を果たしていたのです。 そしてV3に勤務する地球防衛軍内では怪電波解読の第一人者である、ミズノ隊員が解読に取り掛かっていたのです。
この怪電波は地球防衛軍極東基地のレーダーでも受信されていたのですが、キリヤマ隊長は悪い予感がしていました。 キリヤマ隊長もミズノ隊員に解読を改めて依頼しました。
キリヤマ隊長の悪い予感は当たっていました。
あの怪物が今度はガソリンスタンドを襲っていたのです。 怪物は外国人女性客と、店員二人を襲い、ガソリンを貪り吸っていました。
店員の一人が何とか地球防衛軍の基地に電話をかけ、キリヤマはダン、フルハシ、アマギを現場へ向わせました。
三人がガシリンスタンドに到着した時は怪物はすでに逃げ去った後でした。 しかし先ほど襲われた瀕死のハンターが銃を撃ち、そこへ駆けつけます。
そしてあの円盤状の金属物体を発見するのでした。
ダンは怪物は宇宙人で、この円盤に乗ってやってきたのだと考えました。
三人は宇宙人の逃亡を防ぐためこの円盤を爆破します。
ウルトラ警備隊の他にも二千人の警官も動員されて、厳戒態勢が敷かれました。
ミズノ隊員が怪電波を解読して、V3から基地に戻ってきました。 そしてキリヤマに報告するのでした。
あの怪電波はコスモポリタス第八惑星キュラソ連邦警察からの通信だったのです。 内容は 「キュラソ星の犯罪者303号が逃亡。凶悪な殺人鬼なので発見しだい殺害されたし」ということでした。
とんでもない宇宙人が地球に侵入してきていたのでした。
またこの303号はタンクローリーを襲い警官三人を殺害。 さらに被害は大きくなり、都内に入ってきてしまいます。
そしてある民家のガレージが襲われ、民家の部屋の中に侵入してきます。 その家の子供が一人何とか抜け出して、警戒中の警察官に告げました。
幸い民家の家族は無事でしたが、303号は今度はウルトラ警備隊の隙をつき、アンヌに催眠術をかけて何と地球防衛軍の基地に入り込んでしまいます。 ダンが気づき追いかけますが、そのままアンヌを人質にしてウルトラホークのベーター号でまんまと空へ飛び立ってしまいます。
ベーター号では大気圏外脱出は不可能であり、宇宙へ逃亡の可能性は低いものの、アンヌを人質にとられているので何もできません。
切歯扼腕するキリヤマ達ウルトラ警備隊員ですが、ダンの提案で、アルファ号、ガンマー号で追いかけて、空中でウルトラホーク1号の合体を行うことになりました。 何とかこれに成功して、ダンとアマギがアンヌの救出に向かい、アマギがアンヌを連れ出しました。
しかし303号は怒り狂い火を吹き、ベーター号は炎上、墜落します。
ダンはウルトラセブンに変身! 間一髪で脱出に成功します。
ベーター号が墜落し爆発炎上。 その炎の中でキュラソ星人303号が巨大化してたたずんでいました。
ウルトラセブンはすぐにダンに戻り、キリヤマに通信。 「攻撃の必要はありません。303号はガソリンタンクのようなものなのでまもなく爆発するでしょう」と報告しました。
やがてダンの予想どおり303号は爆発したのでした。
ダンは広い宇宙でも正義は一つと改めて思うのでした。
こうしてこの恐ろしい事件も解決しました。
この後キュラソ星と地球の間に友好関係が結ばれることが、予想できました。
キュラソ星そのものは侵略者ではなく、友好的な宇宙人であったという作品です。
最後はハッピーエンドっぽかったですが、犠牲者も多かったですね。 このような等身大の怪物の恐怖が描かれている作品の一つです。
ウルトラセブンの登場時間はこの作品もかなり短く、戦闘シーンもありません。 変身したのはベーター号から脱出するためだけであったのです。
それでも納得できるのはウルトラセブンだからこそでしょう。 たとえば前作の「ウルトラマン」であれば、やや物足りない作品になっていたかもしれないです。
脚本 金城哲夫 監督 鈴木俊継 特殊技術 的場徹 撮影 永井仙吉 美術 成田亨、岩崎致躬 特殊撮影 佐川和夫
ゲストに犠牲者で必死にウルトラ警備隊に連絡をとったガソリンスタンドの店員役が西條康彦さんでした。
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