ウルトラセブン第二十五話「零下140度の対決」です。
ウルトラセブンの中でも人気作品の一つです。
地球防衛軍基地上空に怪しい黒雲が発生しました。 そして基地周辺を猛吹雪の世界にしてしまったのです。
このためパトロール中だった、モロボシ・ダンの乗るポインターも機械が故障して立ち往生してしまいます。
だが基地内の防寒は地下18回の動力室の原子炉のおかげで完璧でした。 アンヌの「基地へ帰れば、暖かいコーヒーが待ってるわよ」という言葉にも励まされ、ダンはポインターを捨て歩いて基地へ向おうとします。
ダン=ウルトラセブンにも弱点がありました。 光の国M78星雲から来た彼は普通の人間以上に寒さに弱かったのです。
その頃基地でも大事件が起きていました。
怪獣ガンダーにより地下ケーブルが破壊され基地内の原子炉が停止してしまったのです。 さらにガンダーは冷凍ガスにより、動力室をたちまち氷点下の世界へと替えてしまいました。 そしてまた寒さだけでなく、レーダーや、ウルトラホークなど基地内の兵器類も使用できなくなってしまったのです。
一方猛吹雪の中を歩くダンはしだいに体力が落ちてきていました。 ついに雪の中に倒れてしまったダンに怪しい笑い声と、幻覚のようなものがみえました。
笑い声はポール星人と名乗りました。 彼らは地球を第三の氷河時代にするためにやってきたのだと言いました。 また地球防衛軍基地をガンダーに襲わせたのも彼らだったのです。
ダンはすぐにウルトラセブンに変身しようとするのですが、ウルトラアイがありません。 猛吹雪の中を進むうちに落としたらしいのです。
あせってウルトラアイを探すダン。 そこにポール星人はガンダーを差し向けました。
ダンはカプセル怪獣ミクラスを出現させ、ガンダーに向わせます。 二匹の怪獣が激しく闘います。 ミクラスは奮戦するのですが、猛吹雪の中ではやはりガンダーの方が優勢でした。
そのうちやっとウルトラアイを探し当てたダンはウルトラセブンに変身します。 ただエネルギーがかなり消耗されていたので、太陽の側までいってこれを補充しなければなりませんでした。
その頃地球防衛軍基地の中では隊員たちが次々と倒れていきました。
メディカルセンター医師のアラキ隊員は全員の退避をヤマオカ長官に進言していたのですが、一時は見送られていました。
この状況でヤマオカ長官もついに全員退避を決断しますが、ヤマオカ自身が倒れてしまうのでした。
そしてキリヤマがこの退避命令を出しました。
でもこの命令を聞かなかったフルハシの奮闘で基地内の動力が復旧したのです。
キリヤマ達はただちに、ウルトラホーク1号、3号で出撃します。
太陽エネルギーの充填を終えたウルトラセブンも地球に戻ってきて、ガンダーと対決します。
ウルトラセブンはアイスラッガーでガンダーを倒しました。
ポール星人の声が再び聞こえてきました。
「ウルトラセブン、ドウヤラワレワレポールセイジンノ、ハイボクラシイ。 ダイサンヒョウガキハアキラメルコトニスル。 シカシワレワレガハイボクシタノハ、セブン、キミニタイシテデハナイ。 チキュジンノニンタイダ。 ニンゲンノモツシメイカンダ。 ソノコトヲヨクシッテオクガイイ」
と言ってどこかへ消えていくのでした。
ガンダー自体はすぐに倒されてしまうのですが、冷凍光線をはくなかなかの奴です。 ただこの猛吹雪の零下140度の世界を作ったのはポール星人達のようでした。 いわゆる気象兵器というものをすでに開発しているようです。
このポール星人の存在があまりにも大きな作品でした。
我々ウルトラセブンファンは雪が降ったり、寒くなったりすると 「そらポール星人が現れた」 「ポール星人のしわざだ」とよく話しているぐらいです。
そしてまた彼らはけっこう人気者なのです。 あの笑い声も印象的でありましたね。
監督 満田かずほ 脚本 金城哲夫 特殊技術 高野宏一 撮影 永井仙吉 美術 岩崎致躬・成田亨 特殊撮影 鈴木清
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