ここ何日か、人の悪口ともぼやきともやっかみともつかないことを述べた。
あまりかっこうよくなかったかもしれない。
西部劇で「アラモ」という作品がある。
あの大スタージョン・ウエインが伝説の男デービー・クロケットを演じ、主演、監督をつとめた作品である。
この映画はメキシコ軍とアラモの砦に篭ったテキサス義勇軍の攻防を描いた西部劇というか、戦争物かもしれない。
もちろん戦いがテーマなのだが、人間ドラマもある。
テキサス軍は180余人。ところがメキシコ軍は6000人。圧倒的に優勢である。ここはみんなで一致団結といきたいところなのだが、この砦の指揮官トラビス大佐(ローレンス・ハーベイ)と義勇兵の主力を率いるジム・ボゥイ大佐(リチャード・ウイドマーク)は水と油。激しく対立する。
特にボゥイ大佐の妻の訃報を受け取ったとき、このトラビス大佐が外部と接触を持ったと激しく非難する。
だがやがてトラビス大佐は真相を知り、ボゥイ大佐に謝罪。
「陳謝を受けてくれるか?」と言う。
ボゥイ大佐は
「トラビス、俺達はお互い人間なんだ。間違いだってあるさ」
と話すのである。
戦闘シーンも確かに迫力があったが、私が一番心に残ったのはここの所である。
許すのも謝るのも勇気がいることなのだ。
もちろん甘えてはいけないし、間違いは一度だけにしたいものであるが。
この「アラモ」という作品は数々の勇気を現している場面が多い。
でも私はここに一番人間の勇気を感じるのである。