かつて題名のなかったBLOG

2006年 10月 12日 の記事 (1件)


ディープインパクトの引退が発表されましたね。

私個人の感想としては、「妥当」だと思います。
恐らく、能力のピーク時に引退を発表することで
これ以上種牡馬としての価値が下がらないように
したんでしょう。

しかし、Yahoo!の投票なんかを見てると、
「もっと走らせて欲しい」という意見が
圧倒的に多いみたい。
これは、個人的にちょっと意外だと思ったんで、
以下につらつらと自分の考えを書いて見ます。

かつてオグリキャップというスターホースがいました。
彼は5歳(※現行の表記では4歳)の秋、
マイルCSとジャパンCの連闘を含む
考えられないローテーションで戦わされました。
実際は当時のオーナーの考えやお金の事情などいろいろ
あったと思うのですが、
オグリキャップをきっかけに競馬ファンになった
「にわか」のファンたちは口を揃えてこういいました。
「馬がかわいそう」「馬主のエゴだ」と‥‥。

今回のディープインパクトはこれとは全く逆で
「もっと走らせろ」「それが競馬ファンのためだ」と
言っているのだから、全く正反対ですね。

ディープに限った話ではないですが、
レースに出るということには必ず「故障」という
リスクが付き纏います。
サラブレッドは「ガラスの足」と言われるように、
速く走ることのみを追求して改良されてきた動物です。
丈夫には作られていません。
そして治る見込みがないような重傷の場合、
苦しまないように「安楽死」という処分が
選択されることになります。

過去何頭ものスターホースがレース中の故障で
安楽死処分となっています。
サイレンススズカ、ライスシャワー、テンポイント‥‥
ディープがこれらの馬と同じ悲劇を迎えた方が、
ファン、関係者の双方に大ダメージになってしまうので
それを避けようとするのは当然の判断だと思います。

また、「故障」までしなかったにしても、
競馬に絶対はありません。
今回の凱旋門賞挑戦にしても、長距離輸送などが
悪影響を及ぼし、馬の能力が落ちてしまうという可能性も
大いにあります。
実際、上記のオグリキャップは連闘のジャパンカップ2着後
翌年のレースでは惨敗が続いたため
オグリファンから「これ以上走らせてもかわいそう」と
批判が上がり、引退することになりました。

もし、直線を向いても後方のまま他馬に飲み込まれ
惨敗を続けるディープインパクトを見ることに
なったとしたら、どれだけ無事に走っていたとしても
ファンにとっては辛い事なんじゃないでしょうか。

さらに、こうしたリスクを背負ってまでレースに出て、
例え勝ったとしても、その賞金と種牡馬としての
今後の収入を考えたとき、種牡馬としての価値を
選択するのは、至極当然だと思います。
実際、今回は史上最高の51億円というシンジケートが
組まれているわけですしね。


‥‥ということで私は、
このタイミングでの引退発表は「妥当」と感じました。
去年勝てなかった有馬記念に勝ち、世界の名馬が集う
ジャパンカップを勝ったら、日本での目標はもう
ないと言っていいでしょう。
もし凱旋門賞を勝っていたら、そのまま引退でもいいと
思ったくらいです。

しかし一方、私はこのまま日本での種牡馬入りに関しては
「反対」だと考えています。
その理由については、長くなるのでまた後日‥‥。
2006 10/12 22:18:40 | 近況報告 | Comment(0)
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