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西村健著 講談社文庫4分冊。 それぞれがリンクしていた「ビンゴ」、「脱出」、「突破」の主人公を一堂に集め、 「劫火1 ビンゴR」、「劫火2 大脱出」、「劫火3 突破再び」でリンクを深めつつ一人一人を描き、 「劫火4 激突」で大団円。 都合7冊1シリーズ。まあ、「ビンゴ」を書いたときにそこまでの構想はなかったと思うけど。
赤門出て、官僚やってたのに何の因果かフリーの雑誌記者に華麗なる転身、という西村氏 伏線の張り方もその結末も緻密。 お年の割りに文体はちょっと古めながら、旧き良きハードボイルドの世界を感じさせる。
そして、「ビンゴ」で始めた世界を「激突」で閉じる、破綻なく全てのつじつまを完全に合わせて閉じる手腕。凄みすら感じさせる。
エンターテインメントな小説の分野で、オイラの中では大沢在昌に次いで2番手。この分野では暫く書かない、みたいな解説が非常に残念。
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