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日本ではまだあまり一般的ではないがアメリカに行くと、メラトニンといった睡眠導入剤が容易に買える。 脳内物質に近い物質なので副作用も少なく、依存性も低いらしい。値段も安い。 2014年以降、日本では脱法ハーブと呼ばれる合成薬物が社会問題になり取り締まりも厳しくなった。 知恵のない警察は危険ハーブと呼び名を変えて見たものの解決には至らなかった。
そしてそれから3年、相次ぐ政府の政策ミス、失敗、腐敗、不況と重なり、 国民の間では癒しやストレス解消といった言葉から、快楽主義や快感実感といった言葉がもてはやされる事となった。 貧富の差は顕著となり、景気回復、デフレ脱却といった嘘をやっとハッピーな国民も気づくことになった。
俺の名前は谷口文男。今年でもう50になる。 サラリーマンをしながら細々と生きている、多分?そうだったと思う。 あれっ?どうしたんだろう? ナンダッタッケ?
なんか凄く毎日幸せな気分なんだ。 愛や平和がいっぱいで、お腹もいっぱいで、みんな愛してくれて。 あれっ?どうしたんだろう?
日本中が騒いでいる。何だろう? 自然至上主義?自然が一番?危険ハーブをやると頭が馬鹿になるぞ。馬鹿になるぞ〜!。 それ以上に規制により価格は高騰。貧乏人の俺が買える訳がないではないか。ふん!。
ってどうしたんだろう?あれっ?ここはどこ? なんか頭に繋がれているぞ!チューブみたいなものが。
横を見ると、何人もベットに寝かされて頭にチューブが刺さっている。 チューブを伝って変な液体が機械の中に吸い込まれている。
白衣を着た男が何か言っている。 脳内麻薬が云々…。培養体…。貧乏人は…。 脳内麻薬は最も安全な快楽物質です…!!!。
そうだった貧乏で快楽を買えない俺は タダで快楽を得られる培養体に志願したんだった。
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