5月の夜の雨は激しい。 荒れた海が、 暗紫紺色の夜空を幾層にも覆い、 落ちてくる。 雷雲のうねりは高波のようだ。 非常階段の途中、 佇みながら、 なつかしい詞を想い出す。 25階の非常口で 風に吹かれて爪を切る たそがれの街 ソリテュード だから好きとか嫌いの問題じゃなくて いつか馴れ合う気安さがいやなの うまく云えなくてごめんね ソリテュード 捜さないでね 醒めちゃいないわ だれよりも愛している そう云いきれるわ だからなおさら ままごと遊び 男ならやめなさい そんな感じね Let's play in solitude まるで巨大な怪獣のように 闇にそびえたホテルに泊まる 目の下にはシティーライツ ソリテュード 決められたレイル・ロード走ってゆくように 色褪せた夢を見て流されるなんて だれもみなストレンジャー 初めは他人 想い出はいらないわ バックひとつで 捜さないでね 醒めちゃいないわ だれよりも愛している でも 捜さないでね そして 少し憎んでね 夜空が青磁色の光の輪をひろげた。 霹靂だ。 今宵、 あたしは、 別れを告げよう。 歌詞の気分、 そのままをあなたに伝えたい。 捜さないでね、少し憎んでね、 そうして、 いつか、 忘れてね。
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