夏は憂鬱 秋は憐憫 冬は退屈的日々雑記
ほんのわずか、気持ち程度積もった雪をスニーカーの底で踏みながら、緩やかな坂道をのぼってゆく。
1メートル先を歩く彼の背中はいつもと一緒だ。
だけどもうこの道を、彼とふたりで歩くことはないだろう。
もう少しで到着する彼の部屋で、きっとわたしたちは、わかれる。
我儘ばっかりだったのに優しくしてくれて、その優しさにさらに付け込んだわたしが泣く権利はないから、せめてさいごくらいは。

踏み締めた雪は音をたてて溶けてそれはまるで悲鳴のような。
2006 12/31 23:49:16 | none
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