2015年 12月 の記事 (5件)

いくえみ綾先生の作品は中学のころから大人になるまでずっと愛読しています。

大人になっても新刊を待ちわびて発売日に買うのはいくえみ作品だけです。



いくえみ作品の魅力は語りだしたらきりがないのですが、一番好きで何度も読み返しているのが「潔く柔く」です。

主人公を長澤まさみさんが演じて映画化もされたので、世間的にもたくさん読まれた作品だと思います。

この作品の一番の大きな特徴はオムニバス形式で展開されていること。

いろんな人たちの恋模様が数話完結で繰り広げられていくストーリーで、最終的に主人公の瀬戸カンナの物語に到達するのです。

登場人物たちが絶妙にかすったり絡み合いながら瀬戸カンナへ繋がっていく様は鳥肌が立ちました。



オムニバス形式の一つ一つの物語は華美でも甘美でもなく、日常のごく普通の恋愛を描いています。

いくえみ作品を読んだことがある方ならわかると思いますが、すべてにおいて「いくえみ男子」と呼ばれる地味なのに憎めない男子が登場します。

どの男子も全く完璧ではなくてどこか欠点もあるけどとても魅力的で、女性がほっておけないキャラクターばかりなのです。

中でも私は主人公の瀬戸カンナと最終的に運命的な出会いを果たす赤沢禄に、とても魅力を感じました。

出版社に勤めている編集者なのですが、その飾らない仕草や言動、たまに発する少し的を得た言葉はいくえみファンにはたまらないものです。

照れ隠しにおどけているように見えて実はとてもまじめなところは、どの女子もとりこになること間違いなしです。



さて少し物語の話に戻りますが、「潔く柔く」はよくある普通の恋愛漫画ではなく、「命」がキーワードになっています。

いくえみ作品にはよくあるのですが、少しファンタジーの要素も入っており作品に深みを持たせています。

瀬戸カンナと赤沢禄はそれぞれが昔に経験した出来事を背負って出会いました。

二人がそれぞれ社会人として働きながらその昔の出来事を自分たちなりに理解していく様が、最終章で描かれています。

お互いの心の動きや関係性の変化が美しく、物語同様読んだあと私も心が浄化されたような清々しさが残ります。

最後まで読み終えて、主人公瀬戸カンナのシンプルでキレイなキャラクターがくっきりと浮きたつ不思議な感覚も味わえます。



何度読み返しても新たな発見や感動に気付く「潔く柔く」、まだ読まれていない方は是非読んでみていただきたい作品です。
2015 12/08 00:44:01 | none | Comment(0)
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山本英夫原作の、いじめられっ子が殺し屋になり、人を殺していく話です。主人公は過去いじめられていた経験から、他人に対して恐怖があり他人におどおどしてしまう性格です。そしていじめられると泣きます。二十歳を越えても泣きます。
妄想が爆発し勝手に暴れるときがあり、それを利用しようと「通称ジジィ」がイチの味方になります。東京新宿のヤクザを殲滅する作戦に出るのですが、途中でイチが「この人たちは暴力を奮うけれども、ボクをいじめていた人たちとは違うじゃないか」ということに気づき、ジジィいわく「イチが大人になってしまった」状態に入ります。殺しに対するスランプです。
イチは今まで殺人を犯すとき、この相手はボクをいじめていた○○くんに似ている、こういうことをやった人に似ているという妄想を爆発させ殺害していってました。しかし、それが根本的に違うと気づいたのです。
そんなイチがスランプに陥り、人も殺せないちんこも勃起したまま収まらない状態でいるとき、ひとつの電話がかかってきます。相手は間違い電話でSMのM嬢です。絶対的な絶望を味わいたい、という女性です。なぜ絶望を味わいたいのかというと、過去自分はいじめられっ子を助けたせいでレイプされたことがあり、目の前で観ていたいじめられっ子は助けもしないし何もしない、ただ勃起させているだけ、そしていじめっ子が去ったあと、レイプされた自分に向かって「ごめんなさい」といったのだといいます。絶望したくてもいじめられっ子は絶望させてくれなかった、本当はいじめられっ子にもレイプされて絶望したかったのだといいます。どうやらその女性は、イチを昔庇ってくれた女性(だと思いこみ)で「あなたはそのいじめられっこにもレイプされたかったの?」と聞きます。女性は「そうではない、あんたがヤリたいからヤルんでしょ?」と言われ、久々に射精します。
自分がヤリたいからヤる、これがイチのスランプを脱出させます。
ヤクザにとらわれていたイチの仲間を殺しその場で射精し逃げます。イチに追われている立場のヤクザは「復活したな」と楽しそうな顔をします。
イチはそのまま任務を実行し、ヤクザの親玉も殺しにいきます。しかしそこで新宿にきた自分に優しくしてくれた人を見つけてしまい決意が鈍ります。優しくしてくれた人のことを「友達」のように思っていたのですが、彼が撃つと「友達だと思っていたのに」と泣きながら殺してしまいます。
やっと親玉と対峙するのですが、親玉は生まれて初めて痛みを感じます。「イチという人間に恐怖した」からです。痛みを楽しみに置き換えてきていた親玉ですが、痛みとはただの危険信号だと知らされ逃げます。それを追うイチ、追いかけっこの果て親玉は転落死します。
その後ジジィから電話がかかってきて、M嬢も殺すことになります。M嬢はジジィのセフレで正直邪魔に感じていました。
「ヤリたいからヤラれたくなかった」イチは彼女を殺し、勝手な妄想で彼女は最後ボクに「ありがとう」と伝えてきたと歪曲してしまいます。
数年して、新宿という街に馴らされてしまった、ただの人間になったイチがキャバ嬢とのデートをすっぽかされ缶を蹴飛ばします。それが偶然ヤクザに当たり、殴りかかられそうになるとき、イチが涙を流して終わる作品です。
2015 12/07 11:50:06 | none | Comment(0)
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私は古くなった本については、すぐに古本として買取をお願いすることにしています。
それは、買取をしてもらうことによって、自分に収入がはいることと、リサイクルをしているという、気持ちの上でも納得をすることができるということです。
そんなことから、よく古本を買取依頼を行ってもらっています。
その古本は、どのような本を買取依頼をしたことがあるのか、まとめてみました。
予め買取相場を知りたいときには下記のサイトが参考になります。
古本を売るとき買取価格を比較して一番高価買取の古本屋を探そう!


・漫画の単行本
漫画の単行本は、たくさんあったので、まとめて出すことにしました。
まとめて出すと、いくらかお値段が高くなるようです。
全巻持っている場合は、かなり買取価格が高くなります。
そのため、本を購入する時も、買取をしてもらうことが意識して、全巻揃えることができるように購入をしたりしています。


・参考書
参考書の場合は、書いたりすると、その時点で買取をしてもらうことができなくなります。
そのため、記載をしていないものだけで持参することにしています。
買ったけどほとんど使わなかった参考書は高く売れるんじゃないでしょうか。


・専門書
仕事で使っていた専門書等も依頼をしたことがあります。
またその試験を受ける時の参考書も、依頼をしました。
こちらも書き込みがあると売れないので、普段からきれいに使います。


・小説
小説は、たくさんあったので、まとめて出すことにしています。
余りにも古くて、色が変色をしているものは、買取をしてもらうことができませんでしたが、その殆どをしてもらうことが出来ました。
これは無理だろうと思っても、一度持参をすることをおすすめします。
すると、可能かどうか判断をしてもらうことができます。


・百科事典
百科事典も買取をしてもらうことができます。
これも、全部揃えていると、相当高く買取をしてもらうことが出来ました。


・雑誌
雑誌の、最近見たもの等は、高価買取を期待することができます。
そのため、それらの雑誌も、一応持ち込むことにしています。
中には、とても高く買取をしてもらうことができた雑誌もあったので、それにびっくりしたことがありました。


・料理本
料理本は、高価買取を期待することができます。
相当昔の本でも、買取をしてもらうことが出来ました。



今までに買取をしてもらった本は、数しれません。
それは、自宅にある本だけではないのです。
時々、母親が読んでいた本なども、読んでいないものを持ち込むようにしています。
家の中はすっきりしておきたいですね。

2015 12/06 00:42:24 | none | Comment(0)
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6歳歳が離れた兄の影響で、私の読む漫画は藤子不二雄モノ、少年ジャンプモノ、そのほとんどがどちらかと言うと男の子向けのモノばかり。それでも熱く、時に切なく、バトルや友情を描いた作品は大好きなモノばかりでした。

小学生も高学年になると周りの友達は少女漫画の雑誌を読むように。りぼんやちゃおやなかよしなど。そんな少女漫画は食わず嫌いだった私ですが、たまたま母が本屋で買ってきてくれたりぼんに掲載されていた作品。矢沢あいの「天使なんかじゃない」、背景もゴチャゴチャと書かれ、異様にデカイ目やキラキラした目が嫌いだった私ですが、彼女の絵はなんとも見やすい。セリフも少なく一気に読める。一話読んだだけで虜になってしまいました。

ですが、お小遣いももらっていないし、毎回買ってくれとおねだりも出来ません。りぼんを読んでいる友達に頼んで見せてもらっていました。そんな時、兄が誕生日プレゼントにとコミックスの第一巻を買ってきてくれたのです。私がそれほど好きなことを知ってくれていたのです。最初に手にした時の嬉しさはいまだに覚えています。はみ出しのオマケの部分まで食い入るように読みました。

連載は続き、中学生になってもどっぷりとハマっていました。主人公の翠と晃に憧れこんな恋愛をしたいなといつも妄想。実際は女子中、女子高だったので結局制服デートの夢も叶わないまま終わりましたが、素敵な学園生活の疑似体験をさせてもらえました。

学生ならではの文化祭や運動会、修学旅行。先生との恋、友達とのいざこざや後輩との確執、ちょっとした三角関係、親子のすれ違いや兄弟との絆、将来への不安と希望。まさに青春真っ盛りの女の子にこれでもかというほどたたみかけてきます。全8巻と巻数にしては決して多くないのにこんなに盛り沢山な内容で何度読み返しても面白くて泣ける。少女漫画をちょっとなめていた私の考えを変えてくれた作品でした。

コミックスが出揃う頃、意を決してお年玉でまとめて買い揃えました。遂に自分の手元にやってきたと、その日はひたすら読んでいました。その頃は「天ない」と略されかなりの人気がありました。続く「ご近所ものがたり」や「NANA」のヒットもこの作品なしでは産まれてなかったかもしれません。アニメ化されたりもしましたが、声優さんの声が、自分の中の登場人物達との声と違ったらイヤだったので見ることはありませんでした。自分が決められたらなと思っていた子はきっと私だけじゃないはずです。

主人公の翠の髪型や服装も可愛く、真似をしたいなと思っていましたが、自分には似合わないと決め込んでました。今の私が当時の私なら好きならとことんやれ、と全部取り入れていたかもしれません。そしてバイクに乗っていた晃、私が初めて付き合った彼も、漫画に出ていたようなバイクに乗っていて、後ろに乗せてもらった時には、翠と晃になれた気がしました。その彼と結婚し、さすがに子どもには“翠と書いてあきら”と読む名前は付けませんでしたが、最高のトキメキと青春をくれたこの漫画は本棚に大事にしまって一生読み返したい大切な漫画です。
2015 12/03 23:00:17 | none | Comment(0)
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少し前の話ですがアニメ化もされるという情報を聞いて買いそろえたのが、「ジョジョの奇妙な冒険」です。この漫画はむかし兄が持っていたのですが、子供の我々には濃すぎる絵が気に入らず、ついつい読んじゃう面白さがあるけど、「変な漫画」扱いで終わっていました。しばらくすると三部までそろっていた漫画も、売られてしまいました。これ以降、私は「ジョジョはネタ漫画」という以上の認識を持っていませんでした。なので、私は本格的にジョジョにハマった時間でいうと、第一部アニメが始まってしばらくしてからだったので、いわゆる「にわか」の部類に入ります。そのまえにOVAアニメを見ていて、かなり出来がよかったと覚えていたくらいです。

 正直、アニメの前半、そして漫画を同時に読み始めても、「ネタ漫画」という認識はそのままでした。「変なセリフ」「がばがばな設定」が面白い、という感じです。しかし、最近の漫画にはない熱血さやあんまりかっこつけずにエンターテインメントに終始する感じに好感が持てました。

 ネタのつもりが感動しまったのは、三部のラスト。そうすると、四部が待ち遠しい、ここはアニメでも見たことのない未知の領域で、はやく読みたい、となっていきました。

 七部まで読み終えると、私が意識できる範囲ではとくに五部から、「運命」というキーワードが作品全体を流れているのがわかりました。この「運命」の扱われ方が、ほかの少年マンガとはすこしちがう。単純に、逆らうべき、打ち倒すべき「運命」なのではないのです。ジョジョの登場人物たちは、みな「運命」に逆らえない、むしろ覚悟をきめて受け入れていくしかない。

 その象徴として、「ローリングストーン(ズ)」というスタンドがあります。このスタンドは運命を動力として動き、死の運命が定まっているものに向かっていくという能力を持っています。それはまさに、坂道を転がる石が重力によって動くように、運命という力で動き、だれもこれには逆らえない、「われわれは『運命の奴隷』だ」と、このスタンドの所有者は

言います。ジョジョの登場人物はみなこの運命という重力に引っ張られ、物語に巻き込まれていく。さらに、この「ローリングストーン(ズ)」という名前は、六部までの主人公、ジョジョたちの象徴でもあります。というのは、主人公のスタンドは宝石ないし石の名前が必ず含まれており、「ローリングストーン(ズ)」は運命に巻き込まれるジョジョという主人公たちを意味しているのだと思われるからです。七部のスタンドは例外ですが、「転がる石」であるジョジョは六部でひとつの区切りをつけるので、そこにもそれ相応の意味があるのです。

 しかし、スタンド自体がある種、人間の限界という運命を越えた存在でもあったのです。石ころは加えられた力に逆らえません。植物は、すこしだけ自分を展開させる力があります。動物は自分から動き、獲物を捕らえてその動きを支配できます。さらに人間は、その動物の習性を知ることで、動物を支配できます。その人間を超越していくことが、ジョジョの物語の重要な要素であり、スタンドは完全に一般人の認識の外にあるものなのです。このスタンドでさえ、これがどれほど運命を乗り越えようとしても、乗り越えられない運命というものが、とくに五部、六部、七部でテーマになるのだと思います。

 という感じで、かなりうざく語れるほど好きになっちゃいましたよ、ジョジョ。

2015 12/03 00:00:00 | none | Comment(0)
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