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消費税とはどういった理由で創設されたのでしょうか。また、どういう性質のものなのでしょうか。まずは、消費税の誕生と仕組みを理解しましょう。 実は、今話題になっている年金問題と今年の秋に増税しようとしていた消費税には、密接な関係があったのです。 1.消費税の誕生 消費税(間接税の一般消費税)という税目は、昭和63年竹下内閣時の国会で成立し、同年12月30日に施行、翌年の平成元年4月1日から適用されています。 その後、平成6年度の税制改正で、国税である消費税とは別に地方税にも「地方消費税」という新しい税目が創設されました。 そもそも消費税が成立した理由は、次のようなことだといわれています。 ・主な使途が社会福祉であるため、幅広く公平に負担 ・将来の少子高齢化社会に向けた新たな税徴収方法の確立 ・税負担の格差の解消 ・個別消費税導入による国際摩擦の解消 など 要するに、当時税収割合が高かった直接税(所得に応じて税の負担を求める方式)だけでは、将来の少子高齢化社会での税収が確保できません。そのため、間接税(特定の対象物に対して税の負担を求める方式)としてすでに導入されていた個別消費税の問題(特定の物品だけ税金を徴収していたため不公平間があり、貿易相手国からの非難もあった)も回避しつつ、新たな税収を考えたときに、他国が既に導入している税収方法に着目し、これに類似した税(消費税)が生まれたものと考えてよいでしょう。 2.消費税を納付する者は消費税を負担する者ではない 消費税は、所得税や法人税などにみられる「税金を負担する者=税金を納付する者」とは違い、消費税を負担する者は消費税を納付する者とイコール(=)ではありません。 消費税を負担する者とは、日本国内で物品やサービスを最終的に消費する、個人消費者を指します。その一方、消費税を納付する者とは、日本国内で物品やサービスを提供する者を指します。物品やサービスを提供する者も物品やサービスを消費する場合には、一旦消費税を支払います。しかし、消費税の納付は、提供する際に受取った消費税から支払った消費税を控除して納付する差額納税方式のため、実質的に消費税は負担しません。また、物品やサービスの提供が行われる都度、消費税は価格に上乗せされるため、提供が行われる間に発生した消費税の納付額の合計額は、最終的な消費者である個人消費者が負担していることになるのです。 したがって、消費税を納付するための計算は、所得税や法人税などの計算方法とは全く異なり、独特の考え方や計算方法によります。
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