ピアノの演奏にはその人がよく表れていますね。どんな音、どんな音楽、どんな弾き方、演奏だけではなく、それ以外にもたくさん見えているものです。
ドイツ人先生のレッスンでは、演奏する前から、それじゃダメ!って止められることがしばしば・・・。
確かに見ていると、ピアノを演奏するときは、ピアノの前に行く⇒いすにすわる⇒音を出す直前⇒演奏を始める、このように、演奏を始めるまでにもたくさんのことがあります。
でもほとんどの人が、そんなことには無頓着ですが、そこから演奏が始まっているんです。
ピアノに向かうまでの時間、座ってから演奏するまでの時間、その時間をどうするか・・・。
中にはいすの調整を何度も繰り返したり、いろんなことにすごく神経質になっておられる方がよくいらっしゃいますが、必要なことだけを静かに調整すればいいことを、何だかこれが一番大切なんだと必死になっている人がおられます。
どうすればいいのか・・・。それはただ無心でいいと思います。
いかに無心になれるか・・・。永遠の課題になるくらい難しいことですが、これに近づけることが、いい演奏につながっているんだと思います。