残念なことに、ピアノの練習はアコースティックピアノ(本物)でなくても、電子ピアノでも同じと錯覚されている方がいらっしゃるようです・・・。
いつの間に世の中はそんなことになってしまったのでしょう〜。 アコースティックピアノと電子ピアノは全く違うのに・・・。
簡単に違いを説明すると、本物の楽器は、音が”鳴る”のですが、電気物は音が”出る”だけなのです。
例えば、乾杯の時にワイングラスを重ねた時、きれいな音がしたり、うまく合わなければいい音になりませんよね。でも電子物では、一定の音が出るだけ・・・。どのようにきれいに鳴らそうとしても変化はありません。
中にはそんなことはわかってますが、まずは指を動かす練習が必要だから、電子ピアノで十分と思われてる方もおられるでしょう・・・。 でも音楽とはどんな音で響かして、どんな音楽にするか、それを味わうもので、指がただ動くだけでは、音楽を味わうことは決してできるようにはならないものです。
悲しい曲は悲しい音で、リズミカルな音楽はどのようにリズミカルな音を響かせるか・・・です。
野球の練習にしても、おもちゃのバットでいくら猛練習していても、試合で活躍することはできないのと同じです。全く使用している感覚が違いますし、本物を操るための身体もできないからです。
一番感じることは、電子ピアノで練習している生徒さんは、本物のピアノで練習している生徒さんの、5倍も10倍も時間がかかり、そのうち10倍やっても弾けないままです。すぐにそのレベルはやってきます。
子供は特に何もわからないので、必死で頑張ってやっているのに出来ない!って悔しそうにしている姿を見るととてもかわいそうになります。 逆に本物のピアノで練習している子は、さすがに頑張った分は上達しますし、それ以上ってこともよくあったりして、すごいね!って言葉を自然にかけてあげられます。
まずは電子ピアノで・・・ではなく、まずは中古のピアノで・・・それでいいので、そういう世の中になって欲しいです〜。
ピアノは生き物、生きた楽器とどう楽しむか、そこが魅力なんですから〜。
|