これは、聴いた話ですからね、真偽のほどは・・・ですけど、あまりにも理に適うお話ですのでね。
タクシー用車両といえば、トヨタのクラウンコンフォートや、過去には日産のクルーといった車種が有名ですね。これら、すべて、後輪駆動の2WDなんですよ。安全性を考えたら4WDにすべきじゃないかってみんな考えますよね。じゃ、なんで2WDなんでしょうか?車両の価格が高いから?燃費が悪くなるから?それも理由の一つなんですが、経済性をあとにおいても、安全な方がいいと考えるはずの個人タクシーにも2WDのクルマが多い。
はて?なんででしょうか。
これにはこんな裏話があるんです。
昭和60年ころの話です。函館では大手のHタクシーが、当時はやり始めたFF(前輪駆動)の車種をタクシーに採用した。それまでのFR車種に比べて、冬道に強く、運転手も楽になると考えたわけです。
やがて冬が来て、思った通り、運転手の評判もすこぶるいい。FR車種じゃ登れなかった坂道もぐいぐい登ったとか、FRだったら埋まったであろう積雪でもお客様をお送りできたなどなど・・・。
ところがですよ、事故が増え始めた。
大半がスリップによる、路外逸脱などだが、お客様をケガさせたという事例も多かった。
調べてみると、速度記録計から読み取れる平均速度が2割も上がっていた。
賢明な方はおわかりでしょう。運転のしやすさ=事故件数の増加となったわけです。
同じ時期、FR車両の使用を継続し続けた大手のS交通にあっては、スタッドレスタイヤへの移行時期にあっても事故率は上昇しなかったという実績がありました。FRだからこそ、運転者は限界を超えた操縦ができないわけで、このことが安全につながっていたという良い事例です。
みなさん、現代、一般的になった4WD車両は、けっして安全な車ではないのです。
登れる、埋まらないのと安全は違います。
滑りだしたらただの鉄の箱だということを忘れないで。