青森県青森市内には、魚菜市場が点々と数箇所あり、貝毒による禁漁期間を除いて、特産のホタテ貝が山のように積み上げられ売られている。(山のように、とは、ちとオーバーか?)このホタテ貝、貝柱の部分は重宝されるが、「ひも」と呼ばれる貝柱の外側部分は、はずされた後、ほとんど見向きされない存在である。しかし、一部好食家にとってはいわば垂涎の食材でもある。
歯ごたえ良く、食べてみると美味しい。だが、不人気なのは、下処理が面倒な為であろう。
先に書いた魚菜市場の一部店舗では、この「ひも」の部分を大き目のビニール袋に詰め込んで、ひとふくろ100円ほどで売ってくれる。青森在住時はこれがひとつの楽しみだった。
ぬめりがつよいので、塩もみしながら、包丁のミネをつかって、1本づつ丁寧にしごきとる。水洗いしてしまうととたんに風味が落ちてしまうので極力水洗いしない。この作業が大変なのだ。
あとは一口大に切り、生のまま刺身でいただく。日本酒がすすむことすすむこと、原価100円の「高級なおつまみ」は、お徳感極まり、本当に楽しく美味かった。また、小さめに切りそろえ、炊き込みご飯の具材にすれば、おかずいらずのご飯となり、ずいぶん重宝したものだ。
また、ひもといっしょに、オレンジ色の卵巣部分(ほたての仔とよんでいた)がはいってくるが、新鮮なのでこれもまた刺身でいける。ウニに似た食感と味覚で、これも十分、楽しめた。
こういった、いわゆるB級グルメ的御当地食材って、おんもしれえよね。