コジマ電器が、一部店舗で、廃家電の処理を適正に行っていないとの報道。一般的に考えて、まだ使えるものを市中に流したと考えるのが妥当だろう。でもこれは、家電リサイクル法 (特定家庭用機器再商品化法)が施行された時点から、十分予想できた事態であり法制度を審議してきた政府、国会の考え方が甘かったためである。廃家電が商品として流通する場合があることを認識して、法体系を見直すことが肝要であろう。もともと、もったいない精神は日本人の特質である。それを加味しなければリサイクルの全体像は観えてこない。
コジマ10店舗の廃家電、行方不明 環境・経産省調査へ
2007年10月16日11時57分
家電量販店大手「コジマ」(本社・宇都宮市)の中部地方の10店舗で、消費者から引き取った廃家電3066台が製造業者に引き渡されず「行方不明」になっていることが環境省の調べでわかった。流出の詳しい経緯はわかっていないという。客から受け取りながらメーカーに渡らないリサイクル料金は計約1000万円とみられ、同社が客に返金を進める。環境省と経済産業省が16日午後にも家電リサイクル法違反の疑いで全国各地の店舗に緊急の立ち入り調査を行うとともに本社に不適正処理の勧告を行う。
不適正処理があったのは、愛知・岐阜県内の10店舗。家電の内訳は、エアコン1420台、テレビ1127台、洗濯機239台、冷蔵庫・冷凍庫230台など。通常、客から受け取った廃家電はメーカーに渡され、メーカーから店舗にリサイクル料金の請求がある。しかしこれらの店舗は、メーカーから請求がないにもかかわらずこれまで確認などをしてこなかった。
環境省リサイクル推進室によると、中部地方環境事務所が7月に情報提供を受けて名古屋市内の店舗に立ち入り調査。預かった廃家電が決められた集積場所に運ばれず、メーカーに戻っていない状態になっていることが発覚した。その後、周辺の店舗で同じ状況が確認された。
廃家電の不適正処理をめぐっては今春、最大手のヤマダ電機で、店舗からの回収委託を受けた業者が約1600台を中古品業者に横流ししていた事実が社内調査でわかった。今回のコジマの不適正処理は回収のどの段階で不明になったのかはっきりせず、環境省は同社の廃家電管理の甘さを問題視している。過去2年間で最大規模の不適正処理という。
コジマは「内容については調査中」とした上で、「真摯(しんし)に受け止め、調査のうえ再発防止に取り組みたい」とコメント。(朝日新聞サイト)